鑑賞情報
2019年3月17日 9:30〜
TOHOシネマズ小田原スクリーン4
D-8
電動スクーターの注文のため小田原に出かけるので、当然のように映画館に行くわけなのですが、今回はムビチケを購入していたグリーンブックを鑑賞することにしました。
アカデミー作品賞を受賞したということもあってか、田舎の映画館でこの手の作品にしてはなかなかの客の入りでした。やっぱこのくらい入ってくれないと映画館としても厳しいよねw
それでは感想です。
王道バディもの&ロードムービー
正直言うと脚本に目新しさは感じません。白人と黒人のコンビによるバディ物はアクションでも感動モノでもいくらでもありますし、アメリカの広大な国土を活かしたロードムービーに組み合わせるのも定番です。
ただ、これは過去作品のパクリとかじゃなくて王道の展開なのです。
日本のオタクコンテンツなんて短期間でこれでもかとお約束の話や設定のみでストーリーを展開していくじゃないですか。それに比べれば今作の展開なんて【久しぶり】ですよ。
今回あらためて王道の強さを見せつけられました。
俳優
とにかくメインの2人が素晴らしい!バディものでキャストをミスると目も当てられなくなりますけどヴィゴ・モーテンセンのキャスティングで一気にスタイルが決まった感じ。
一方、マハーシャラ・アリですが、助演男優賞を受賞したとはいえ、ちょっとおきまりなキャスティングじゃないかなぁ?……スマートなインテリ系黒人俳優の系譜として現在ド本命ですからね。
この映画が20年前に公開されていたと考えたら、ドクター役はデンゼル・ワシントンしか想像できないでしょ?
Ebony and Ivory
深刻な人種問題の真っ直中にあるアメリカ南部を舞台にしながら、そこまで話が重くならなかったのはコメディ作品に定評のあるピーター・ファレリーの力が大きいと思う。
正直言って深刻なものを描くときこそ笑いや喜びをしっかり描かないと画面にも内容にも差が生まれず作品が際立たなくなるのです。
今、思い出すと去年鑑賞した【デトロイト】がリアリティの追求でひたすら暗く重いだけの作品になってしまったのは、この対極の明るさの描写が無かったからでしょう。完全に史実に基づいた作品というわけでもないのですから影を際立たせるためにもハイライトを入れればいいんですよ。
ちなみに小見出しの【Ebony and Ivory】はポール・マッカートニーとスティービー・ワンダーによる楽曲でピアノの黒鍵と白鍵になぞらえた人種問題をテーマにした歌。グリーンブックのテーマとも合うでしょ?ということで。
総評
78/100点。素直に楽しめて考える余韻も与えてくれる作品にはどうしても高得点をつけたくなります。ただ、劇場で観なくても楽しめる作品ではあるのでその点だけマイナス。
どちらにせよ万人に勧められるオススメには違いありません。
それにしても、最近観に行った作品にハズレが無いなぁ。