鑑賞情報
2019年6月29日 10:00〜
小田原コロナシネマワールド スクリーン10(4DX吹き替え)
A-8
2019年7月20日 16:20〜
TOHOシネマズ小田原 スクリーン8(字幕)
H-8
だいぶ時間が空きましたが、スパイダーマン:ファー・フロム・ホームの感想です。
最初に4DXで観たのですが日本語吹き替えのノリが軽めだったので字幕と比べてから感想を書こうと思ったら、結局鑑賞から1週間かかってしまいました。
MCUステージ3最終作
この作品は御存知の通り、先ごろ完結したアヴェンジャーズを中心とするMCUシリーズの続編にしてステージ3最終作品です。
今作をもって作品世界におおまかな区切りが与えられているのですが、あくまでスパイダーマンという作品世界(=愛すべき隣人の活動範囲)の出来事を描いています。
ただ、ヨーロッパへの旅行という形で範囲が活動した結果、規模自体は拡大しています。残念なのは、それでも愛すべき隣人であるスパイダーマンの周囲しか物語に絡まないので活動範囲は広がってもイマイチ世界は広がっていないということでしょうか?
サノスの指パッチンの効果やそこからの復活の経緯も力技で解決ですし、ちょっと無理クリな対処でまとめた感がありますね。
まぁ、たぶんそこまでガチガチな設定は必要じゃないんでしょうw
アクション
スパイダーマンは、そのステータスや機能から立体的なアクションが基本となるので画面映えがいいのが特徴です。
今回は舞台が二転三転としましたし、バーチャルな世界でのアクションもありましたから魅力は更に倍増です。
ただ、4DXに関してはそこまで臨場感は無かった気もします。いい加減、このシステムに慣れてしまったからかもしれません。
ムービングシートを選択するくらいならIMAXで目と耳からの情報に特化した方が楽しめるでしょう。
本来ならスパイダーマンこそ4DXが生きるタイトルのハズなんだけどなぁ?
平和だからこそ生まれる敵
今回のヴィランであるベックは悪役とは言ってもサノスのような自分の力で世界を征服するようなタイプではなく、チームをもってシステムを利用し、自分たちの立場をより上位に立たせるタイプのヴィランで、そこはかとない小物臭がします。
敵すら自分で創作、マッチポンプで成り上がる彼らは、本当に強い敵が現れたら為す術もなく敗北するというか路傍の石のような存在で相手にもされないでしょう。
ある意味、世界が平和だからこそ悪さの出来る存在です。
前作のヴァルチャーも中小企業の経営者ですし、スパイダーマンの世界ではヴィランも愛すべき隣人の対となるような傍迷惑な住人が似合います。
バーチャルな戦い
ホログラム内で戦う描写はレディー・プレイヤー1やヴァレリアンを彷彿とさせました。
レディー・プレイヤー1は自らの意志で作品世界に没入し、ヴァレリアンは現実空間にバーチャルな空間を再現するのに対し、今作は【現実世界をバーチャルで侵食】する手法なので、ある意味、前2作のような未来の話よりも技術的には先を行っているのが面白いです。
この【この世の全てが襲い掛かってくる】仮想現実の世界でカンを頼りに切り抜けるというのが今作のクライマックスなんだけど、ちょっと話をドラマチックにしすぎなんじゃないかな?
ハイテクを導入したスパイダーマンのスーツなら、視覚に頼らない各種センサーも付いているだろうし、もっと簡単にベックのトリックを見破れると思うんです。
少なくともトニー・スタークなら騙されていないよ。
吹き替えと字幕
最初に4DXを鑑賞した時にスパイダーセンスにあたる言葉に【ピーターむずむず】という言葉が使われていて疑問に思いました。
これまで使われていた言葉が使われていなくて、一体元の言葉は何だったのだろう?と思ったのが、後に字幕版も鑑賞しようと思った最初の切っ掛けです。
あらためて字幕版を鑑賞したところ【ピーター ティングル】という言葉が使われていました。英単語にすればPeter Tingleで、この言葉のニュアンスで考えるのであれば【ピーターむずむず】という訳はベストマッチだと思います。
日本語字幕版は全体的に硬い印象が残りますので、正直鑑賞は吹き替え版の方が楽しめるでしょう。
総評
70/100点。面白いけど期待を超えるまではいかないのでこの評価です。
スパイダーマンというキャラクターの特性から世界が広がってもヒーローの立場が大きくなるのではないというのも分かっていたことですが残念ではあります。
あと、予告であったアイアンスパイダーと警官とのやりとりが丸々無かったのはびっくり!……どこまで制作陣はこの作品を大切にするのか考えさせられました。
評価自体は70点かもしれませんがスパイダーマンとしては満点に近い作品で、次作も大いに期待できると思います。