2019年1月4日の2本目はTOHOシネマズ新宿からシネマカリテに移動して【メアリーの総て】を鑑賞しました。
失敗してしまったのが久しぶりの新宿ということで、今一番気になる作品に意識が行ってしまったこと……まさかパッドマンの公開が4日で終了だとは(汗)あつぎのえいがかんkikiとか早稲田松竹なんかで上映してくれないかな……
それでは感想です。
フランケン的ビジュアルがなくてよかった
作品が終わって心から思ったのが【イメージ映像としてのフランケンシュタインが出てこなくて本当によかった】という安心でした。
マンガのテンプレ演出で登場人物の心の中の天使と悪魔が言い争うシーンってあるじゃないですか?……これが作家の心理状態を表現するのに使われる時、自身が生み出したキャラクターが語りかけてきたりするんですよ。
折角、しっかりと登場人物周りの世界観が構築されているのに物語のキャラクターとか出されたら興醒めじゃないですか!
その点、今作ではフランケンシュタインのビジュアルについては1カットも登場することはありませんでした。あくまで作品は作品として本の中だけで完結していて映画の中では登場しないんですよね。
物語の中で物語を描くのは手っ取り早い手法かもしれませんが、大枠である映画自体が一気に作り物臭くなるので、この作りの方が正解だと思います。
結果として地味な作品にはなりましたが【そういった】作品じゃないから問題ないよね?
登場人物のクソ加減
登場人物全員が大小はあれど皆どうしょうもない部分があるのが凄い。一応実際の話がモデルになっているからこそできるストーリーで100%創作だったらこんなクソエピソード発表出来ませんよw
色情魔のパーシー・シェリーやバイロン卿は言うに及ばず義妹の脳味噌ふんわりなくせに肉食系な所や主役のメアリーでさえ胸を張って擁護できない始末。
住医のジョン・ポリドリでさえ博打で借金こしらえるような奴ですからね。ある意味、継母の嫌味が一番健全で理解できますよ。
取り敢えずこの作品での最大の学びは【詩人の男に気をつけろ】でウッボーw
総評
55/100点。主演のエル・ファニングは素晴らしいんですけど作品全体への共感は難しいです。あとルックはいいんだけど似たような構図ばかりで場面や心情の変化が掴みづらいのも退屈かもしれません。
いわゆる【ディオダディ荘の怪奇談義】をメインとして構成すれば物語としての芯が定まったかもしれないんだけど監督の描きたかった部分はそこで収まらなかったからこういった作品になったのかもしれませんね。
こういった【作家が物語を生み出すにあたり実際にあった出来事】をモデルにした作品はこれからも多く作られていくと思いますが、作家陣に焦点を当てて物語の登場人物を出したりしないリアル寄りの作品を作りたいなら、それに変わる新たな表現手法をひとつでも提示できないと同じような退屈な作品を量産していくことになるかもね。
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