2022年3月13日、あつぎのえいがかんkikiにて鑑賞(29本目)。
当時はどういう考えだったのかは覚えていないのだけれど、なぜか購入してお蔵入りしていたムビチケがkikiで活用できたことはありがたいです。
これがあるから自然とkikiの利用回数が増えていくんだよな。
それでは感想です。
見ごたえのあるクライムムービー
特に期待していたわけではないのですが、殺し屋どうしの追いつ追われつのノワール映画で物語の焦点がギュッと定まっていることも相まって最後までブレのない完成度で見ごたえがあります。
ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが共演したのは7年ぶりとのことですが、私の場合はそこまで役者それぞれに思い入れが無かったこともあり完全に登場人物として集中できたのも作品への没入感に一役買っていたのかもしれません。
これ一本で完結していることですし、このジャンルが好きな方にオススメしやすい作品です。
ただよう【レオン】感
ただ少し気になったのは少女を守り敵との一対一の戦いに挑み、最後は少女を守り切って人に託すという構図が、そこはかとなくレオンを意識させてしまうんですよね。
別に守るべき少女は他人ではなく別れた恋人との間に生まれた娘ですし、それを託す相手も顔見知り……敵役だって単純にサイコ野郎というわけではなく【兄の仇】という、むしろ彼こそに殺しの正当な理由がある立場なんですけど、主人公の殺し屋という設定と敵役のキレ具合、両者の結末と守られた少女のその後なんかでそう思わせてしまうんでしょうかね?
今作の監督は絶対に意識をしたとは思えないのですが、逆にこの手の作品を鑑賞する人にどっかで引っかかりを生み出してしまうレオンという作品が偉大過ぎるのかもしれませんね。
総評
80/100点。同じような作風でも、この作品の一週間前に鑑賞したレイジング・ファイアと比べるとこちらの方が圧倒的に好み。この作品の方が世界観の構築や物語の焦点のあて方なんかの完成度が高いと思います。
やっぱり一作でキッチリと完結させてくれる物語はいいですね。
後はこのジャンルに付きまとうレオンの陰から逃れられるかどうかが今後の課題でしょうか?