鑑賞情報

2022年2月13日 8:50〜

TOHOシネマズ海老名 スクリーン4

B-8

 

2022年の16本目。今年最初のTOHOシネマズ海老名での鑑賞です。この一本を鑑賞後、TOHOシネマズららぽーと海老名まで移動してしまったのでイオンシネマ海老名はまだ利用していません。

それでは感想です。

 

オシャレ映画?

ある程度映画を観ている人からすれば【今回もウェス・アンダーソンな映画】といえば通じる作品。

ただ、私の好きなウェス・アンダーソン監督作品である【グランド・ブダペスト・ホテル】が入れ子構造で深化していくストーリーとは異なり、雑誌に掲載される記事のオムニバス的な構成のため一つ一つの作品にやや浅さが感じられてしまい、物語よりもルックに視点がいってしまいました。

結果、ビジュアルを優先したオシャレ映画のような見方になってしまったのは残念です。

 

……いえ、短編とはいえそれぞれのキャスティングも凄いし面白くはあるんですけどね。

 

 

どの話が好き?

個人的には圧倒的に最初のエピソード。雑誌的にいえば巻頭特集的な位置付けとも考えられるしレア・セドゥーの脱ぎっぷりもイイw……私の他にも同じような感想をもった人は多そうです。

2話目は学生運動に本気度が感じられずに白けてしまいました。オシャレ映画を期待して鑑賞した女性が【ティモシー・シャラメがババァと寝た!】とショックを受けるのではないのでしょうか?いっそのことカーセックスにすればよかったのに……ノマドランドパロディで。

3話は退屈。もしかしたらそろそろこのオムニバス形式に空き始めた頃で、順番が違ったら感想もまた違ったものになったのかもしれない。

補足は物語の〆とかオチ。こういった作品はグダグダになりがちではあるのですが、これまでのエピソードを収束させる意味でもキッチリと機能しているので好感が持てます。

 

ただ、やっぱいそれぞれのエピソードのキレが足りないです。どうせならそれぞれの話をもっと短くして、記事執筆者の数の分だけエピソードを用意した方が良かったんじゃないかなぁ?設定では最終号だし。

 

設定

【架空の人気雑誌の最終号記事】という限定された特殊な設定は、オムニバスをやるには適しているのかもしれませんが、その設定のために独りよがりで観客の間口を狭めているのではないでしょうか?

そもそも人気誌という設定自体が設定としてでしか存在せず、観客からしてみれば思い入れがありません。架空の雑誌の最終号の作り手側から描いているので成立しているのかもしれませんが、バックボーンが無いので作り手側の内輪ネタになってしまっています。

【ペンタゴン・ペーパーズ】ほどの説得力を求めているのではありませんが、ドラマシリーズで【いかに魅力的な雑誌か】ということを十分に伝えてから最終号発刊のためのドタバタを見せるような話の方が良かったと思うんですよ。

【ロボットアニメの初回と最終回を繋げた話】と言われたパシフィック・リムみたいに力業やアクションで押し切れる話でもないですからね。

 

総評

75/100点。楽しいけどのめり込めないし、もったいない作品。

この微妙なリアリティのある設定に説得力を持たせる材料さえあればハマれたんでしょうけどね。

 

2022年映画鑑賞LINK