鑑賞情報

2019 08/03 10:45〜

シネクイント スクリーン2

D-7

バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズやフォレストガンプでおなじみのローバートゼメキス監督作品です。

彼の作品を劇場で鑑賞するのは、ザ・ウォーク以来3年ぶりでということで注目していたのですが、空想と現実を行き来する物語が複雑で、ちょっと入りづらかったですね。

上映館も少ないですし観ている人も少なそうですが感想をどうぞ。

オープニングの妙

劇中劇からスターとして現実に戻る展開は、現実よりも更に狭い範囲への焦点の合わせ方と、その世界を俯瞰で捉えるズームアウトでゾクゾクします。

フォレストガンプのオープニングの鳥の羽の映像に明確なストーリーを追加したような感じでしょうか?

人形の演技もマーウェンコル(人形劇の世界)に直接焦点を当てた時と主人公の視点から見た時とで明確に解像度が変わるので、最初のうちは人形劇に見えない所も面白かったです。

残念なのは、このシーンを少し冗長に感じてしまう所と、この最初のシーンだけで観客への」サプライズが終了してしまう所でしょうか?

 

ここで観客の心を掴み残っちゃったのがこの作品の敗因だろうなぁ……

 

映像技術

先に書いたように人形劇部分と現実世界部分で生じる【解像度の差】は凄いです。

なにげない日常の描写にさらっとCGを用いた超絶技法を使ってごくごく自然に表現してくるのはゼメキス監督の真骨頂です。

あまりにも違和感がなさすぎて、凄さが伝わらないのもいつも通りです。

 

実話に引きずられた展開

この作品は実際に起きた事件を元に作られた作品のようなのですが、ちょっとその原作とも呼べる実際のイベントに引きずられすぎてしまったのが、この作品の冗長な部分であったり交互に続きながらリンクしていくマーウェンコルと現実世界の描写なんじゃないかなぁ?

 

物語のメインは人形劇によって現実世界との向き合い方を取り戻していく主人公のお話だと思うのですが、別に実話をベースにしつつも、もっと創作寄りのストーリーにして描けばよかったんじゃないかなぁ?

 

総評

65/100点。ルックで評価は上がっていますが、総合評価では55点といったところでしょうか?

ちょっと退屈な部分もあったので、ゼメキス監督以外が私情を挟まず編集していればもう少し映画としてまとまったんじゃないかな?

予算もかかっているみたいなので難しいとは思いますけど。

 

最後にちょっと感じたのは、結局主人公の向かいに引っ越してきた女性は男を勘違いさせる【ナチュラルに誘い受け】のキャラだったんでしょうね。そんなんだから元カレも執着して付き纏っちゃったんだろうよw