2018年5月26日の映画鑑賞2本目は【ゲティ家の身代金】です。ムビチケ購入していましたけどようやく鑑賞することができました。
ただ、リドリー・スコット監督作品ということに期待していただけに少し不満の残る作品となってしまいました。
最初はワクワクしたんだけどなぁ
昔の話でポールを含めた家族でゲティに初めて会うシーンあたりは魅力のある雰囲気をビシバシ感じたのですが、最終的には【なんだかなぁ……】といった印象しか残りませんでした。
これもジャン・ポール・ゲティのキャラクターが理解できなかったからですね。いや、正確にいうと誘拐された孫や誘拐犯、ひたすらダメな父親と理解できないというか理解したくないキャラクターが多すぎるんですよね。
一方、この作品の主役ともいうべき母親アビゲイルは共感はできるんだけど【息子を無事に取り戻す】というあまりにシンプルな思考に引っ張られて多方面からキャラクターを捉えるのに不向き。
この作品の中で事件を客観的に見ると、交渉人であるチェイスや誘拐犯のチンクアンタに意識が行くんですけど劇中で共感するには少しメインから外れているんですよね。
せめてゲティの内面に正確に触れられるようなエピソードがあれば良かったんだけど……
共感できないキャラクター補足
実際の人物とはいえ、このどうしようもない父親は扱いに困りますね。コイツが誘拐されていたら果たしてどんな結末になったのか……
ちなみにこんなクズですが父親の資産もある程度受け継いだので慈善事業家として生きていくことになります。まぁクズなりの正しい金の使い方かもしれませんね。
残酷シーン
耳を切り落とす際の鼓動に合わせた血の噴出は最近よく見る演出ですけど、どの作品で見ても痛々しいですね。実際にあったことなんですけど切断自体や切り取った後の傷跡を見せるのは映画的にはスマートではないですね。
ショッキングなシーンなだけにこの場面に意識が集中してしまいます。
総評
65/100点。史実に囚われすぎてストーリーに脈略のない部分ができてしまい観客の共感を得られない部分が作品の流れを分断してしまっているのが残念なポイント。
戦争映画なんかでは【映画なりの演出】部分に無茶をする場合(一人で無双や敵の銃弾が当たらないなど)がありますけど、この作品ではそういった演出を入れなかったのは【事実に対して誠実だったから】なのか【作品的に不要】だからなのかは微妙な所です。誘拐自体も唐突でしたしね。
一応、チンクアンタのような映画的演出や間抜けな誘拐犯や無能な警察などストーリーを面白くするための創作要素は一定のレベルに達していて笑いどころもあるので65点としましたが鑑賞前の期待値が高かったせいか相対的に評価は低めに感じてしまいます。
大画面で楽しむ映画でもないので【週末にサスペンス映画を自宅で楽しむ際の数ある候補の一つ】くらいの位置付けでしょうかね?