鑑賞情報

2022年2月27日 10:00〜

新宿武蔵野館 スクリーン3

E-4

2022年の23本目。どうしてもミニシアター系のマイナー作品が観たくなって今年初の新宿武蔵野館です。この作品を含めて3本ハシゴしてどこにも寄らずに帰ったので新宿とはいえ人混みを避けてコロナの感染リスクは避けられたと思っています。

それでは感想です。

 

 

クマさんの魅力

なんといってもメインのクマ達のビジュアル面が素晴らしいです。カクカクした造詣なのに柔らかさを感じるそれは【モフモフ】ではなく【モコモコ】といったかんじ。

ちょっと日本からでは生まれてこないデザインですね。作画の省エネのためにモブクマを3Dで作画しているのですが、この造詣はそのために効率化したデザインなのでしょう。

 

お話

イタリアの童話だか絵本だかの映画化なのですが、観ている人が自分勝手に物語を深読みしてしまうような謎の精神性を感じてしまいます。教育的に優れている作品を押しつけがましく語らずに真っ直ぐな作品にするとこうなるという指針になるような作品です。

半面、ちょっと良い子すぎる作品に見えてしまうのはこの手の物語として避けては通れない評価なのかもしれません。

しいて言うのであれば、見方によって異なる受け取り方ができるようになるスイッチを意図的に分かりやすく配置して、観客が持っている日頃のちょっとした意識の変化の移り変わりによって作品の受け取り方を変えられるような作りにしてくれたら最高なのにな、と思いました。

 

日本公開

不思議なのは、なんで今になって公開したのかな、ということでしょうか?

2019年の作品ですし、最初に新型コロナウイルスによって映画館が休館した後の新作が延期になった状態でこの作品が上映されたらもっと多くの人達に届いたと思うんですけどね。日本での公開3年かかるのか……

【西遊記 ヒーロー・イズ・バック】も2015年の中国上映から3年後の2018年に日本公開となりましたし、3年後というのが日本上映の際に必要な時間なのでしょうか?

今後はもっと早くなっていくとは思うんですけどね。

 

総評

75/100点。カラミティの時と同じ評価なのですが、こういったタイプの作品で考えるとかなりの高評価なのだと思います。残念なのは物語が自分に合うか合わないかの問題ですので、高評価の上限が100点に達しないんですよね。

今後、バンドデシネ作品をハイクオリティなアニメ化するとかでもしないと海外アニメで高得点を得ることはないのかもしれません。2022年は【バズ・ライトイヤー】で高評価は約束されてはいるのですが、アニメ作品というよりピクサー作品というイメージで見てしまいますからね。