鑑賞情報

2019年5月31日 9:30〜 (2D 吹き替え上映)

TOHOシネマズ小田原 スクリーン1

I-18 

 

有給休暇を取得したので父親を誘ってゴジラの新作を観にいってきました。

人を誘って映画を観るのなんて何年ぶりでしょうか?もともと私が映画を観始めたのは父親が連れて行ってくれたのが原点ですし、記憶に残る最初の劇場での映画鑑賞作品が1976年版のキングコング(映画館も小田原)なので怪獣映画にもそれなりの思い入れはあります。

 

それでは感想です。

ネタバレもあるので観ていない方はご注意ください。

 

おすすめは字幕版

父と一緒に鑑賞するということで日本語吹き替え版を選んだのですが、正直失敗でした。

主人公役(マーク・チャンドラー)の吹き替え担当が田中圭なのですが、これが致命的に合っていません。タレントの人気で客を呼び込むとしても【田中氏のファンがゴジラを観るのか?】というのは疑問が残りますし、そもそも氏のファンは彼の声がマーク・チャンドラーのようなおっさん(失礼)から聞こえてくるのを喜べるのでしょうか?

 

芸能人を使うのであるにしてもプロモーションとして成立する中で、もう少し役にあった俳優を選ぶべきだと思うんですよね。

 

映画、ゴジラ、吹き替え、本人……どのファン層に対しても不幸せなキャスティングです。

 

それと芹沢博士最後のセリフの効果も半減するので、やっぱり吹き替え版よりいいと思います。

もし時間が取れたら今度こそオリジナル音声で鑑賞します!

 

ストーリー

海外の評価でストーリーの弱さに関して指摘されているようなのですが、これは映画批評である以上、仕方のないことです。

怪獣映画として見るのであれば、正直内容なんてこの程度で充分です。

 

特に今回は怪獣同士のバトルがメインです。余計な内容や話の裏設定なんかに観客の脳みそのリソースを喰われるくらいなら、怪獣自体に集中できるように基本的な流れを伝える程度で余計なドラマは必要ないと思います。

 

正直、前作は怪獣が出なさすぎたからなぁ。

 

バトル

これはもう文句が出ないくらいに楽しませてもらいました。

予告で見たラドンのバレルロールやモスラの羽化も美しかったですし、それ以上のアクションも完璧でした。

 

個人的にはゴジラの泳ぐシーンはあんまり見たくはないのですけど、これはアメリカ人の印象によるものが大きいのだと思います。

なんというか私達の場合、ゴジラは海底を歩いて移動しているような感覚に陥ることがあるので……スローモーにカメラの速度を落として陸上を破壊しながら進む怪獣のイメージが残っているからでしょうかね?

 

リスペクトと新機軸

音楽、鳴き声、ビジュアルなど直接的に伝わることから、バーニング、オキシジェン・デストロイヤー、小美人を思い出させる双子設定など、過去のゴジラ映画を彷彿させる演出が数多く、過去作を知っている人ほどニヤリとできる場面が多かったですね。

ギドラの翼端からの放電もシン・ゴジラの背びれビームを思い出しました。

 

それでいて、これまで無かったギドラの再生能力や個別の首ごとに個性がある描写や怪獣交信装置オルカの存在などの新機軸も違和感なく盛り込んでいて唸らされます。

 

わざわざ劇中で多くを語りはしないけれど、作品を見るだけで伝わる内容や設定は、セリフを増やすこと無く作品に深みを与えてくれるのでうれしいです。

 

総評

75/100点。怪獣映画というニッチなジャンルとしてはかなり優秀です。作品に深い考察などを求めない、いわゆる【ポップコーンムービー】を求める客層には丁度いいのではないでしょうか?

 

ただ、個人的には、ちょっと長いかな?とも感じたりして。後から付け足されたような今後のモンスター・バースとリンクする部分や、余計な描写なんかも削って2時間以内にまとめても良かったんじゃないかと。

日本語版主題歌も作品に合っているかと言われると微妙ですし。

 

やはり字幕版ですね。かわいそうなのが演じた田中圭氏自身が自分の仕事に違和感を持ってしまっているということ。

もうちょっとお互いWIN WINになる仕事にしようよ!