2018年9月15日、フリーパスポートで鑑賞するということでハシゴ目的で朝から映画館に出かけたのですが、無料ということでお金を払って鑑賞しなさそうな作品を最初にチョイスしてみました。

 

でも【やっぱり普段選ばないタイプの作品なんだな……】などと再確認させられてしまいました。

 

それでは、それぞれの感想です。

ちいさな英雄パンフレット

 

カニーニとカニーノ

事前に【おそらくメインとなる作品】と予想していたけど実際には3作品の中で一番内容に不満を覚えました。擬人化された兄妹の蟹の小さな冒険なのですが、短編とはいえ内容が無さすぎる気がする。もうちょっと話を膨らませて、この作品だけで60分程度の規模にすれば作品としての体をなすと思うんですけどね。

 

短時間ですべてを描かなければならないのに無意味な描写を入れることにも疑問。途中、水から上がって地上のシーンになるんだけど、そこまでしたなら産卵のために巣(?)から離れている母親と会うシーンとか入れるべきじゃない?何のために地上に出たのか分かりませんでした。

 

また、巣に戻ってくる母親が子供を抱えているにも関わらず魚が生息する深度をアッサリと抜けて返ってくるのも疑問。もうちょっと尺があれば魚に襲われる母親を知恵と勇気で助けてめでたしめでたしみたいなシーンも見られたと思うんですよね。

 

ムリヤリ短編にまとめた感があります。

 

サムライエッグ

絵柄とは裏腹に内容は割りとシリアス。アレルギーの描写も恐ろしい。

 

残念なのはタイトル。【カニ】と【透明人間】はタイトルそのものが主題となっているけど【タマゴ】だけはちょっと違ってブレがあります。【サムライエッグ】というタイトルも卵に描いたラクガキのことだし短編として最初から最後まで一方向に向かわなかった分、何を描きたかったかが見えなくなってしまいました。

 

内容的に、この作品を一番のお気に入りに選ぶ方も多いのではないでしょうか?……時間を目一杯使った内容の濃い作品なのでホント惜しいです。

 

透明人間

個人的には一番好きで話の規模もちょうど良い。透明人間だから存在感がない=重さもないという設定も面白い。

 

でも、存在感がないだけなら服だけ見えてキャラクターを透明にする必要あったのかなぁ?

 

最初、職場で上司や同僚が透明人間に気づかないシーンで【この人達、服やメガネが見えているのに透明人間を認識していないのは無視しているのかな?】とか思ってしまいました。

単純なシルエットだけの描写とか透明人間の意識が集中したときに体が見えるとか、やり方は色々あったと思うけどアニメーションとしての作劇やビジュアルの面白さを追求した結果なんでしょうね。

 

ただ、オダギリ・ジョーは無駄使いだと思う。

 

その他

木村カエラのテーマソングは単体ならいいかもしれないけど、この三作品に合っているか?と問われると疑問。

ドライブインシアターのように気球に乗った観客に謎設備の映写機が作品を映すというシーンは、たとえ作品世界にのめり込んでも観客を現実世界に引き戻してしまいます。

 

これなら同じ短編集でも詩季織々の方が世界観を崩さずにそれぞれの短編の関連付けるという意味で正解な気がします。

 

総評

個々の評価で言うなら透明人間60、タマゴ50、カニ30で平均46.6、OPED幕間のミスマッチで総評40/100点。

短編だからこそ無駄な描写をとことん省く必要があると思うのですが、カニはちょっと擁護できないです。

 

スタジオポノックの明日はどっちだ……