2018年8月16日、テアトル新宿にて【詩季織々】を鑑賞してきました。
前売り券購入して公開を待ち、時間ができてようやく鑑賞したのですが当初から予感していた不安が現実のものとなっていました。
それでは感想です。
衣食住行
この短編オムニバス3本のそれぞれのテーマが【衣食住】(順番は食衣住ですが)になっていて、エンドロール後の空港でのシーンが【行】にあたる作りになっています。
でも、このテーマや構成自体が【ありきたり】なのが悲しいところ。
オムニバス一本目の【陽だまりの朝食】で空港のシーンが出た時点で【ああ、この作品のラストシーンは全ての短編のキャラクターが空港に集合するんだろうなぁ……】とか想像がついちゃうんですよね。笑っちゃうくらい想像通りのラストだったし。
あと、いくら好きだとはいえ総監督は【秒速5センチメートル】やりたすぎることに問題あり……しかも劣化コピーか。
その1【陽だまりの朝食】
ただひたすら食べ続けるだけな昨品。ビーフンの描写にはこだわりがあってキレイに見えるんだけど食べ方が美味そうに見えなかった。ここら辺は新海誠監督作品より宮﨑駿監督作品を参考にすべきだったんじゃないかなぁ?
あと、結局何を伝えたかったんだろう?という疑問は残ります。
その2【小さなファッションショー】
この作品だけ日本人監督です。残念ながら中国である意味が無い昨品です。東京の話だったとしても成立しちゃうよね?
ストーリーはますます陳腐化していきます。少女漫画の読み切り雑誌の中から適当に選んでアニメ化した感じ。
その3【上海恋】
この3篇の中では一番好き。【秒速】要素も一番色濃く感じるけど、カセットテープを介したメッセージのやりとりに【ほしのこえ】のような印象も感じます。
リアルタイムではなく、段々と返信の時間が長くなるメッセージとかね。
ただ、最後にちゃんと再会できるところは秒速やほしのこえと異なりひと安心できるかもしれないけど安直だなぁと感じてしまうところでもあります。
エピローグ
最初に書いたとおり安易なラスト。お約束かもしれないんだけど、このシーンで作品が一気に陳腐になります。
だれか総監督に提言できるスタッフはいなかったのかなぁ?
総評
40/100点。だいたい想像したとおりの作品。何一つ想像を超えなかったことで評価もこれが精一杯でした。
ただパンフレットはなかなか小洒落たデザイン……でも、ここまでやるんだったら実際のカセットケースに入れてくれればいいのに。
とりあえず西遊記にこの作品と中国発の映画には少しガッカリしています。
そろそろ日本のアニメ業界が悔しがるような作品を観てみたいです。