2018年6月8日鑑賞の映画3本目にして本命の【ファントム・スレッド】感想です。

予告の空気感に引き込まれ鑑賞を決めたのですが、想像以上に【分かりやすい】映画で素直に楽しむことができました。

2人の立場を表現する位置関係

分かりやすいというのは主人公レイノルズとヒロイン、アルマの行動や立ち位置でその場の主導権が一目で分かるような作りになっていること。

シーンごとのキャラクターの感情については見る人によって微妙に異なる解釈があるかもしれませんが、その場の主導権を握っているのがどちらなのかは二人の立ち位置の上下関係がそのまま適応されています。

 

それを踏まえることによってキャラクターの感情への理解も深まるのです。

 

逆にちょっとわかり易すぎるかもしれませんが押し付けがましくない形で場面の解説がされていると考えると上手い手法ですね。

 

あなたはレイノルズ派orアルマ派?

アルマの気持ちも分からなくもないけど個人的には圧倒的にレイノルズに感情移入してしまいます。これは自分が男だからなのかなぁ?

 

……いや、相手の気を引きたくても毒キノコは反則だろw

 

EDについてどう思った?

幸せなのかもしれないけどちょっとモヤッとしたものが残るエンディングについてどう思いました?

 

自分としてはちょっと引っかかる感じ。

 

この作品を観て最初に思い出したのが、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の【鑑定士と顔のない依頼人】。

主人公のキャラクターや作品の空気に共通点を見たからなのですが、【鑑定士と顔のない依頼人】の方は完全なバッドエンドです。

 

それでもこのバッドエンドの作品のほうが好きなんですよね。

 

エンディングで劇中で起きた全ての場面が伏線となりピタリと収束するのが気持ちよく、結果としてハッピーエンドといかバッドエンドとか関係ないところで楽しめるんですよね。

 

ファントム・スレッドの場合は観客から見てハッピーエンドかどうか疑問が残るけど劇中の2人にとっては幸せなのが納得できない部分なのかもしれません。物語としての力や構成がもっと強ければこの結末でも納得できたと思うんですけどね。

 

総評

70/100点。構成次第でもっと高得点だったかもしれませんがエンディングのモヤモヤでこの評価です。

途中までは85点位の名作の予感がしたんだけどなぁ。

 

映像ソフトは廉価版のソフトを見かけたら購入するかな?