2018年6月3日、TOHOシネマズ小田原でデッドプール2を鑑賞してきました。

 

普段は字幕派なのですが、この映画に関して言えば吹き替え派です。より直接的に内容を理解したいし、前作の吹き替えの出来が良く字幕版より吹き替え版のほうが楽しめたので。

 

それでは感想です。

あいかわらずのデッドプール

パロディ、マシンガントーク、毒々、下ネタ……相変わらずの世界観である意味安心。前作でデッドプール誕生のエピソードは充分ということで、彼のキャラクターに対する説明はほとんどないのですが、初見だったとしても観ていればすぐにキャラクターをつかめるので問題ありません。

アベンジャーズのシリーズが事前の予習を必要とするほど肥大化してしまった今、この【分かりやすさ】は貴重です。アクション物の映画を観にふらっと映画館に入ってキッチリ楽しませてくれる作りになっています。

 

パロディ

ヒーローネタ、映画ネタ、しつこいまでのウルヴァリン弄りと【第4の壁】が絡むメタなネタも含めて数え切れなかったり元ネタを意識できなかったりするほどのパロディがてんこ盛りです。

秀逸なのは元ネタが分からなくてもしっかりと笑わせてくれること。若い人たちは【氷の微笑】なんて観てないでしょ?それでも下ネタを絡めることで単体で笑いどころに仕上げています。

ある意味レディ・プレイヤー1の登場キャラクターよりパロディ要素があるのかもしれない。

 

グロシーン

デッドプールたる最後の要素のグロシーン。敵の首を落とす、部位欠損&部位破壊まではこの手の作品でもよく見られますが、主人公でありながら爆発やAパーツとBパーツの分離なんてのはちょっと見たことありません。

まぁギャグ満載の世界なのでこんだけグチャグチャでも目を覆うようなシーンはありませんでした。最近見た【ゲティ家の身代金】の耳を切り取るシーンの方がよっぽど見てられなかったですし。

ここまでやってもデップー曰く【ファミリー映画】なんですよねw

 

敵のいないヒーロー(?)映画

実はこの作品、アメコミ映画で言うところのヴィランがいません。予告ではケーブルが敵役のように描かれていましたが、原作でのデッドプールとケーブルの関係性を考えればヴィランと考えるには違和感がありますし、事実そうなりませんでした。

強大な敵のインフレで【これちょっとどうすれば終わるの?】と唖然としてしまうアベンジャーズ最新作インフィニティ・ウォーに比べれば【自分の周りを守る】身の丈にあった活動をするデッドプールに強大な敵は必要ないのかもしれませんね。

 

面白いのはインフィニティ・ウォーのヴィランであるサノスと今回のゲストキャラであるケーブルの役者が同じこと(サノスはほぼCG造型ですが……)。それなのに吹替版で声を同じにしなかったのはなんでなんだろう?Xフォースのどうでもいいキャラクターにはアベンジャーズの吹き替えを担当する声優を多数用意するようなお遊びを入れているのになぁ。

 

自重しない歴史改変

まぁその場限りのギャグだとは思うんですけどラストの歴史改変は笑わせてもらいました。こんな節操なしなタイムリープを見たのは細田守監督の【時をかける少女】の序盤以来です。

 

内容もヒーロー作品へのメタなセルフツッコミでこの映画の中で一番笑わせてもらいました。

 

とりあえずケーブルを未来に返してあげようよw

 

総評

75/100点。観客を楽しませようというサービス精神や元ネタへの理解の有無にかかわらない作品自体の面白さなど感心すらしました。

 

ただ、このこじんまりとした作品世界ではこれ以上の点数を取るのは難しいかもしれません。程よいスケールアップとサービス精神のバランスが取れればもっと評価を上げるかもしれませんが、この作品はコレが正解なので問題ないのでしょう。

 

次回作があったら、また絶対に映画館で鑑賞します!