先程【ラーメン大好き小泉さん】を視聴しました。

始まるまでは『電子書籍版ではあるけれど単行本も買っているし、毎週感想とか書いちゃおうかなぁ?』とか考えていたのですが、実際に作品を見てみるとちょっとツラいですねぇw

ショートエピソードの積み重ね

アニメでは日常系作品の定番である【1話を複数のエピソードで構成】しているのですが、CMの前後2部構成よりも細かく分割していました。1話毎の内容が少ないとはいえ、これだけ一つのエピソードが短いということは、アニメ化によって内容の密度を濃くするのではなく、マンガのまんまの内容を数で補う作戦ですか……

 

マンガとアニメの情報量の差

マンガとアニメの最大の違いは【読者(視聴者)がペースをコントロール出来るか否か】だと思います。マンガなら1コマの情報量が多いコマをじっくりと読んでから次のコマに移りますが、アニメの場合は制作側が視聴するペースを作ります。

これによってセリフの長いシーンだったり背景までしっかり描きこんだ大コマに時間を取って、普通のコマは普通に流れていったりするのですが、アニメ版小泉さんでは情報量の多いコマも少ないコマも同じように時間が経過していくようです。

たとえば天下一品でのエピソードでラーメンの分類について説明するシーンが有りましたが、細かい文字で情報量も多く、原作では1ページ使って説明されているシーンがアニメでは一時停止しないと確認できないほどサラッと流されています。

 

作品好き≠ラーメン好き

自分は、『この作品のファンとなる切っ掛けというのはラーメンに興味のある層なのだろうな』と考えていました。

 

でもアニメ化にあたって、この演出方法からすると完全に【作品のファン向け】に作られているんですよね。

 

アニメは1クールで終了しますしアニメが終わってもマンガは続くと思うのですけど、この演出で【アニメを切っ掛けに原作マンガの読者を増やす】ことに繋がるのでしょうか?アニメを見ている人は基本、既にマンガを読んでいる人のように思えます。魅力的な人気声優陣を取り揃えているのもアニメのウリですが、それが理由となると声が出ないマンガ版のファンになってもらうのは難しいです。

 

呼び込むべきはラーメン好き

原作マンガは基本的に【日常系】スタンスの作品ですが、ターゲットは【ラーメン好き】に対して作品を描いています。

 

アニメ版も【原作ファン】という閉じた場所に向けて発信していくのではなく、【ラーメンファン】という原作と同じ目線でのターゲットを設定するべきです。

 

ラーメンファンに向けて作品を作るのと声優ファンに向けて作品を作るのは並び立つことが可能です。また、結果的にはそういった演出が原作のファンの理解を得ることに繋がると思っています。

 

アニメ版【ラーメン大好き小泉さん】を広く世に知らしめ、原作に新たなファンを呼び込むため、少なくともラーメンに関する蘊蓄をサラッと流すような演出は控えてほしいなぁ。

 


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