鑑賞情報

2022年2月20日 9:30〜

109シネマズ湘南 シアター10

H-18

2022年の19本目。先に感想を書いたアンチャーテッドの前に鑑賞したのですが勘違いしていて記事にする順番を間違えてしまいました。まぁこれは感想を書く私の問題であって、アクセスして読むみなさんにしてみれば特に意味は無いですけどね。

それでは感想です。

 

 

ミュージカル映画の分類

ミュージカル映画は大きく分けると2種類に分類されます。それが【オリジナル】か【舞台の映画化】か、です。

この作品は後者……しかもアメリカで演劇を勉強しているような人なら一度は演じたことのあるようなド定番です。キャプテンアメリカのクリス・エヴァンスも学生時代にトニーを演じたことがあるそうです。

ただ、個人的に言わせてもらうとオリジナルのミュージカル映画は名作が多いと思うのですが舞台の映画化となると違和感が残るんですよね。

これは折角【舞台】という場面や視点、現実性に制約のある環境での劇を【映画】という自由度の高い環境に持ってきてしまったせいで、【限定された空間の中で、逆に観客の視点は舞台の中で自由になる】という舞台演劇の楽しみを奪われて視点が固定化されるのがマズいんじゃないか?

 

逆に映画を舞台化したりすると【こんな見せ方があったのか!】と感心させられることすらあるんですけどね。

 

脚本はアレ

元々がロミオとジュリエットを下敷きに作られているうえに60年以上昔の作品ということもあり内容が古臭いのは仕方ないとして、映画版のストーリーは酷くないですか?

ラストで主役2人が死に別れてしまうのはアレンジしてハッピーエンドにするというのは賛否両論になりそうなのでオリジナルを大切にしたと考えれば納得は出来るのですが、この死によってジェッツとシャークスに僅かなりとも和解も見られないし明日に向かって強く生きるといった希望も無いバッドエンド……いえ、文字通りデッドエンドですよ?

誰かスピルバーグに物申せる人はいなかったんですかね?

 

音楽

一方、良かったのは楽曲なんですけど、これは映画ならではの魅力じゃないんですよね。

逆にいうと舞台の魅力を超えていないし、何ならライブで紡がれる分、舞台の方が勝っています。

 

……やっぱり映画化には疑問が残るよなぁ。

 

総評

60/100点。点数は及第点といったところだけど、それ以上のガッカリ感が拭えない作品。巨匠に意見できるような優秀なブレーンがいなかったのが問題なのか、はたまた【後世に名作ミュージカルを残す】という使命は尊かったけど、残すべき本質を見誤ってしまっていたのか……

 

岡田斗司夫氏が【スピルバーグにミュージカル映画を撮る才能が無かった】と言っているけど、個人的にはミュージカルを観る才能が無かったんじゃないかと思っています。