鑑賞情報

2022年2月6日 13:30〜

TOHOシネマズららぽーと横浜 スクリーン4

E-8

2022年の18本目。新型コロナウイルスの影響もあって映画館で最初に予告編を見てから1年以上待つことになりました。007の時も思ったんですけどこれを理由に延期して良かった映画って実は何も無いんじゃないかなぁ?

それでは感想です。

 

優秀なスタッフ

今回が初監督となる安藤雅司氏を始め、業界では誰もが一目置くような優秀なアニメーターがクレジットされています。

実際に作画に関していえば4つ足の動物の立体的な動きなども逃げずに作画しているし誠実な描写です。文句のつけようのないアニメになるはずなのですが……

 

何を伝えたいのか

ただ、優秀なスタッフがいても【作品で何を伝えたいのか】については残念ながら伝わってきませんでした。

新型コロナウイルスの影響で延期となったにしては【強大な帝国が支配する世界を舞台に、謎の病から生き延びて旅を続ける血の繋がらない父子と、その病の治療法を探して奔走する医術師らが過酷な運命に立ち向かう】という結果的にタイムリーになってしまった物語の主軸をリアリティをもって描けているのか?というと疑問が残りますしね。

 

長編小説をアニメにするということ

特に気になったのがこの手の作品の映画化によくある【原作のダイジェスト】っぽい作品になってしまっているということ。原作で描かれている各イベントを映像化するのには注意を払っているのに、シーンの描写に意識が向きすぎてそのシーンから伝わる物語が向かう先にまで気をかけていないというか……

ぶっちゃけてしまうと原作を忠実に再現するのは目指す必要は無いと思うんですよね。文章を画に置き換えられる部分を除いてもテキストの分量は映画の上映枠では足りないでしょうし、最終的には【原作を読んだ時と同じ気持ちを持てるか?】とか、その辺りを目指すべきだったのかもしれません。

 

総評

60/100点。私がこの作品の原作を読んだのは映画鑑賞後なのですが、正直【原作小説だけでよかったかな】と思ってしまいました。

デザインは別としても画作りは気に入っているんですけどね。

 

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