鑑賞情報

2022年1月30日 9:10〜

あつぎのえいがかんkiki スクリーン1

D-10

 

2022年11本目の鑑賞作品。昨年9月の公開から時間も経っていたのでkikiでの上映は諦めていました。円盤化や配信も行われていませんし、このタイミングで劇場のスクリーンで観られて良かったです。

それでは感想です。

 

価値観

この話のテーマ自体は、まぁありきたりではあります。女性が抑圧されている時代に自由や権利なんかを主張していくというスタイルは時代や場所を変えてさまざまな映画を生み出しました。

この作品もそんな中の一つではあるのですが、カラミティ(災厄)と呼ばれるような女性がやっていることといえば現代人からしてみれば【なんの問題があるの?】というような内容なので、同じようなテーマの作品と比較してもストーリー的にはあまり見るべき場所はありません。

ある意味、この価値観の差で話を作っているのがお約束ですから。

 

ストーリー構成から見るマクロスとの類似点

メインはカラミティ・ジェーンの旅の最初のエピソード。ただし最初から描いているのではなくて、旅の途中で母親が死んだ後から目的地の直前までのエピソードです。

超時空要塞マクロス の劇場版である、【愛・おぼえていますか】はTV版の物語の始まりで描かれたマクロスが宇宙に出た理由についての描写をすっ飛ばして宇宙を旅する場面から始まるじゃないですか?……まぁ、そんなイメージです。

ちなみに、オリジナルの自伝も捏造上等のフィクション小説のようなものなので、どんなに荒唐無稽な話にしたところでリアリティが損なわれるわけではないですし、軍服を着る切っ掛けや金鉱山のエピソードなど、自伝に関係していたり時代背景的にありそうだったりする内容なのは【いかにもカラミティ・ジェーンが残したっぽい】話で面白いですね。

さらに【愛・おぼえていますか】がマクロス世界の劇中劇のような設定もあるので、今作もある意味史実に対する同じような位置づけとして捉えられるのかもしれませんね。

 

ルック

ただ、今作の見どころはテーマとかストーリーなんてものではなく、完全にビジュアルです。とにかく一枚絵として完成されているうえに統一感と構図の素晴らしいルックに圧倒されます。動きとしてのアニメーションも良いのですが、海外作品にありがちな動きのうるささもなくて好感が持てます。

現代の日本でこういったスタイルの名作劇場が見てみたいですね。

 

総評

75/100点。映画館で観るべき作品。私は字幕版で観たのですが、アニメに集中するために吹き替え版もいいかもしれません。

配信が始まったらもう一度見てみたいですね。