鑑賞情報
2022年1月9日 8:50〜
小田原コロナシネマワールド スクリーン10
A-8
2022年5本目の鑑賞作品は今年最初の話題作となる【スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム】です。今回は4DXを選択したのですが、ぶっちゃけ画面に集中できなくなるのでムービングは2回目以降でもよかったかもしれません。
それでは感想です。多少のネタバレもあるので記事にするまで一週間遅らせましたが、まだ鑑賞していない方はご注意ください。
集大成
新スパイダーマンシリーズ三部作の完結編としてはもちろんのこと、アベンジャーズシリーズや旧シリーズまでも含めた集大成として作られていることに驚かされました。
マルチバースを題材にするのはアニメ【スパイダーバース】と同じなのですが、こちらの場合は別世界の話もしっかりと作られたうえでの参戦ですからね……思い入れが違います。
主人公揃い踏み
予告で散々Dr.オクトパスが登場していて、彼の他にも様々な過去作ヴィランが登場するということは話題になっていたのですが、ファンのほとんどが予想していた過去シリーズの主人公2人も参戦するという情報を公開まで隠し通したのは立派だと思います。
個人的にはアンドリュー・ガーフィールド演じるアメイジング・スパイダーマンシリーズのピーターが印象的でした。このシリーズ、最初の三部作のファンには否定的に見られてしまったからなのか2作で制作中止になってしまったのですが、今回はシリーズ中に救えなかったヒロインのグウェンと同じシチュエーションでMJを助けることができましたし、キャラクターの救済という意味でこれ以上はないというものを見せてもらいました。
個人的にはエレクトロとの会話で【どこかに黒人のスパイダーマンだっているよ】というセリフを引き出せたのも気に入っています。
ヴィラン
予告にも出ていたDr.オクトパスは思っていたよりもはるかに早く良い人になりました。
サンドマンはスケールは大きいんだけどピーターを襲う意味とか特別望んでいないのに治療されちゃうとか、ちょっとブレが気になる。
リザードはアンドリュー・ガーフィールドにもパッとしないと言われてしまうくらいパッとしていない(笑)
エレクトロはアークリアクターで調子付いてイキらなければ良い奴だったんだけどなぁ……
そしてなんといっても映画スパイダーマン最初のヴィランにして最大の敵となったのがグリーンゴブリン!ウィレム・デフォーの演技と存在感が凄すぎます。ただ、凄すぎたので劇中になんとなく良い人になったように思わせた時も【奴が最終的にラスボスだと】と予想させてしまう弊害もありました。
今作は過去シリーズのスパイダーマンの救済であるのと同時に倒されて死にゆくヴィラン達の救済でもあるんですよね。だから彼らも死ぬことなく元の世界に帰っていきます。正直グリーン・ゴブリンとかこの世界で犯した罪も直接的で許しがたい物があるのでちょっとモヤモヤしますけどね。そこは本人ではなく強化薬の生み出した凶暴性の罪ということで納得することにします。
ならピーターは誰に許されるの?
比較的に明るく楽しいシリーズだったトム・ホランド版スパイダーマンですが、中の人であるピーター・パーカーの存在は人々の記憶から消え去ってしまいました。ぶっちゃけ記憶が消えても記録は残るんじゃね?とも思うのですがその辺りは今後のシリーズで整合性が取られるものだと思っています。
ただMJやネッド、ハッピーの記憶からも消えてしまったし、メイおばさんも亡くなったということで現時点のピーターは天涯孤独となってしまいました。すべてを救ったスパイダーマンも自分自身は救えないっていうのは今シリーズらしからぬ厳しさがあるので新しいファンこそ否定的な意見が出そうですね。
まぁ、これこそが新たなアベンジャーズへの布石でもあると思うのですが。他の世界のスパイダーマンではなく別個のヒーローがお互いに助け合ってくれることを期待します。
総評
90/100点。ヒーロー映画としては、ほぼ満点の出来栄えでしいて言うならこのシリーズだけでなく別作品の知識も無いと楽しめないというか本来味わえるはずのストーリーが減点されてしまうのがマイナスポイントです。
それでも、今後もヒーロー映画を観ていくのに決して見逃せない作品として仕上がっています。もしかしたら2021年最初にして興行収益NO.1決定でしょうか?まぁこれは公開が遅れている日本での話ですが。
あと、個人的には【人々の記憶】からは消えて【機械の記録】も微妙なピーターですが、【機械の記憶】という形で各種AIが覚えていてくれるんじゃないかな、とは思っています。