鑑賞情報

2022年1月4日 9:10〜

あつぎのえいがかんkiki スクリーン1

J-9

 

2022年2本目。元々ノーマークの作品でしたが、はしごするのに丁度いいスケジュールだったこともあり鑑賞しました。いつもは観客の少ないkikiですが、思っていた以上に観客が入っていたことは驚きでしたね。

それでは感想です。ストーリーは語っていないけど構成のネタバレがあるのでご注意ください。

 

ちょっと予想していなかった良作

 

特に期待していた作品でもなかったのですが、アイデア、シナリオ、展開&構成、ルックが高いレベルで揃っている良作でした。最後のどんでん返しも驚きですし、ストーリーを見守る私達をあっと言わせる展開と構成は【映画の見せ方を分かっている】作りです。

こういうのを見せられると観客としては唸ってしまうんですよね。特に、最初のシーンのを見ただけだと重要人物のキャラクター紹介のように見えたのに、最後まで見て再び同じシーンが見せられると別の意味が込められていることに気付かされるのはニクい演出だと思いました。

なんか正月早々大当たりの作品に巡り会えた気分です。

 

難民問題とアート

 

シリア難民問題と高騰する現代アート界の狂気を描いた作品ではあるけれど、ガチガチの社会は作品ということではなくしっかりとエンタメ作品として仕上げていることにニヤリとさせられます。

結局、世の人々に訴えたいのであれば説教たれたり事実をただ伝えるだけなのは受け取る側の意識が必要なんですよね。こういった楽しめる内容じゃなくちゃ受け手に届かない……全校朝礼で校長先生の話が頭に残らないのと同じ理屈です。

まぁ、作り手側としては難民もアートも題材であってメッセージではないと思うんですけどね。題材というか原案となった現代アーティスト、ヴィム・デルボアの作品を見た衝撃を自身のやり方で伝えたかった……それを叶えるための題材が難民問題だったというだけで。

 

総評

 

80/100点。ぽっぴん’どりーむのようなファン向けの加点なんてない純粋な評価です。おそらく数年後に配信で見かけたら有料レンタルしてでももう一度見たくなるでしょう……円盤にはなるのかなぁ?