鑑賞情報

2020年5月24日10:25~

シネマサンシャイン沼津 シネマ6

H-7

 

2020年26本目の鑑賞作品。元々この作品の公開日は2月29日で3月2日に新宿に出かけた時も鑑賞を考えていたのですが、公開終了まで時間のない【テリー・ギリアムのドン・キホーテ】やマイナーで近所で公開していない【ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像】と 【名もなき生涯】の鑑賞を優先しました。

……まさかこの直後に映画館の営業が休止に追い込まれるとは (´・ω・`)

約3ヶ月の期間を経て首都圏以外で映画館が再開したので、早速静岡まで遠征して見逃していたSHIROBAKOを鑑賞してきたのでした。

それでは感想です。

 

アニメの制作は【積み重ね】

 

TVシリーズが描いていた通り、アニメの制作は細かい作業の積み重ねです。それがシリーズ物としてのTVアニメに嵌まったのがSHIROBAKOという作品の魅力だと思うのですが、今作では、この【積み重ね】という部分が無い分、作品として弱いと感じました。

 

映画【パシフィック・リム】をネガティブに語る時、【ロボットアニメの初回と最終回を繋げた映画】という言われ方をしたりします。【劇場版 SHIROBAKO】をネガティブに語るとするのであれば、まさにコレなのかもしれません。

いえ、パシフィック・リムと【SHIROBAKO】TVシリーズを対にして考えると、シリーズなのでSHIROBAKOの描写の積み重ねを実感することができるのですが、そこから単体作品である劇場版を考えると武蔵野アニメーションの凋落が語られない分、パシフィック・リムのような【初回と最終回を繋げた感】が垣間見えるのです。

 

……あ、ここでパシフィック・リムの続編を例に挙げないのは最後のやさしさねw

……とりあえず、この作品は劇場用としては不適切だったのでは?と思ってしまうのです。

そもそも【単品の劇場用アニメを作る話だから映画のサイズに合うんじゃない?】という安易な発想がいけません。一話ごとの完成という細かなゴールが存在するTVシリーズとは異なり劇場用アニメは長い制作期間を評価を得られぬまま働くことになり、完成した作品が出たら後は手も出せず結果を受け入れるしかないという難しい立場に立たされることになります。

 

この映画では結末は語られていないけど、新型コロナウイルスの拡大という【制作側のコントロールできない突発的なイベントによる公開へのダメージ】を受けてしまった劇場版 SHIROBAKOという作品の経緯と、劇中で二進も三進もいかなくなっている武蔵野アニメーションが嫌なシンクロをしてしまっているのを見るに、ここまで頑張って完成にこぎつけた劇中アニメも結局は成功には程遠い興行収入だったんじゃないのかな?と思わせてしまうのです。

 

総評

70/100点。とにかく凋落部分まで含めてTVシリーズで見たかったです。たとえ理不尽な理由だったとしても経緯を知ることができればある程度は受け入れることができるので。

それでも、本来ならもう少し評価は高いはずなのですが、長い期間お預けを食らって期待値が上がってしまったことや、遠征までしたのに再上映がかかって損した気分になるなど個人的なネガティブ要素も多くなってしまいました。

予定通りに上映さえされていればこんな気分にはならなかったんだろうけどなぁ。