鑑賞情報

2020年2月16日 10:50〜

TOHOシネマズ海老名 スクリーン10

G-8

2020年17本目の鑑賞作品。日本上映版は【名探偵と刃の館の秘密】とかいう見ていて恥ずかしくなる寒(さぶ)タイトルがついていますが見なかったことにします。

それでは感想です。

評価されそうな作品

紙のノートで書き残していた映画の感想に最初に書かれていた言葉がコレ。

ミステリー作品の評価ポイントには【既存のリステリー作品にあるルールを破る】というものがあるのですが、オリエント急行をはじめとするアガサ・クリスティのミステリー作品にある【ルール破り】をこの作品も行っています。

私たち日本人……というかラノベやマンガを読むオタクからしてみれば基本フォーマットを守りつつ、内容や設定の変化で物語の違いを楽しむのが一般的なのですが、海外ミステリーファンは新たな枠組み自体を評価しますからね。

この辺りの相違でミステリーに馴染みの少ない日本人のオタクからしてみると【そこまでいい作品かなぁ?】と思える内容でも海外の批評家からは絶賛されたりします。

 

……この作品がまさにソレです。

最近理解し始めた【自身と批評家との評価の差】についての見解のひとつです。

 

豪華だけど弱いキャラクター

主人公(ぶっている)ダニエル・クレイグ演じる探偵って、別に優秀っていうほどでもないですよね?主人公ぶっているうえに優秀なつもりでいる名探偵(笑)

……ちなみに主人公ではありません。

クリス・エヴァンス演じる黒幕(ばらしちゃった)は計画的な犯行を目指してはいるけど、物語の構成の関係で早いうちに裏側をバラしながら進行しているので【ご利用は計画的に】と言いたくなります。

アナ・デ・アルマス(ブレードランナー2049のCGヒロイン役の人ね)演じる看護師はまさかのゲロインw。

問答無用で吐くかと思ったらほんのちょっとだけ我慢して時間差ゲロを見せたことに、そこはかとない裏切りを感じる。

他にもクリストファー・プラマーやゾッド将軍のような有名俳優も出演していますが、役者のわりにキャラクターは弱い気がします。

まぁ、これはストーリー主体ということで……

 

ノリノリの演技

ただし、出演している役者……特にクリス・エヴァンスは演技自体を楽しんでいるように思えます。

ヒーローを長く演じていたせいか、こういった一癖あるタイプのキャラクターに演じ甲斐があるのでしょうか?そういえばダニエル・クレイグもボンドとはかけ離れた役ですね。

ここはジョニー・デップが今でも小規模の作品に出演するメンタルに似ているのかもしれません。ニコラス・ケイジがB級作品に出るのは微妙に意味合いが違うかw

 

総評

80/100点。

文句を言いつつも一本の作品として文句を言わせない完成度があります。

ミステリーというジャンルではありますがギャグも効いていますし楽しめます。

……残念なのは、【でもここまで豪華なキャストで秀逸な脚本なのに印象が地味なの?】と鑑賞後に思ってしまうこと。

ちょっと期待値に追いついていないのかもしれません。そういった拘りがなくてこの作品に出会えたのであればかなり楽しめる作品です。