鑑賞情報

2020年1月13日 11:35~

シネプラザサントムーン スクリーン6

G-9

 

初めての映画館で【永遠の門 ゴッホの見た未来】を鑑賞しました。

それにしても生活圏内での上映に間に合わなかったからといって静岡まで行くことになるとは思いませんでした。交通費だけを考えるのであれば隣接する都道府県ということで都心とそれほど差はないのですが、交通手段は限定されてしまうので結果的に時間がかかってしまいますね。劇場自体はちょっと変わったラインナップで時間さえ取れればまた行ってみたいです。

 

それでは感想です。

 

本人出演

 

この作品の最大の成功要因は、なんといってもゴッホ役のウィレム・デフォー。

ゴッホの自画像で描かれている姿と役としてのビジュアルが完全に一致していて笑えます。もちろん内容はとても楽しいものではないのですが。

 

ウィレム・デフォーは様々な映画で重要な役どころを多く任されている名優ですが、同時に色モノ役でも演じてくれる人ですからね。彼を見ていると、どうしてもグリーン・ゴブリンが頭をよぎってしまうのです。

 

まぁ、この作品でも貧困の中の純粋さの裏返しでもある特異性や怪物的な部分も表現しているのでビジュアル面以外でも彼以外でゴッホを演じられる役者を探すのは難しかったんじゃないかなぁ?

 

ゴッホの解釈

 

【ゴッホの生前に売れた絵はたった1枚だった】というのは有名なエピソードですが、その為に彼がどれだけ孤独で貧しくて病んでいったかというのが容赦なく描かれています。その筆致も相まって描く姿には力を感じるんですけど、どう見ても自身の生命力を絵に乗せた結果、本人の力や精神、はたまた経済力まで絵に吸い取られていくかのようなんですよね。

 

今では【画家】と聞いて最初に思い浮かぶ名前のトップであろうゴッホの不遇……それを彼の生前の境遇を知る多くの人たちに向けて最も共感できる形で見せているのが今作の描き方です。

監督は【必ずしも史実に沿ったストーリーにはなっていない。これは私なりのゴッホ解釈だ】というようなことを語っていますが、この解釈は観客の解釈とも差がないので結果として最大公約数を捉えることがことが出来たのだと思います。

 

そんな中でも死の原因についての独自解釈は良かったです。自殺であってほしくないのであれば、この解釈が一番美しい。

 

撮影

 

ちょっと気になったのは撮影方法。演出としても手ブレが気になるんですよね。演出意図と実際の演出自体がブレているというのでしょうか?そこは画面の揺らぎではなく、焦点の変更やレイアウトで表現してもらいたかったです。

 

あと、もうちょっと作品に対しても目を向けてほしかったかな?

 

総評

 

70/100点。この手の映画としてはかなり良い!……ただし、作品自体に爽快感が無いのでやや点数を下げてしまいました。集中してではなくボーっと眺めるような見方も出来そうなのでソフトを購入して部屋で見るのもアリですね。