鑑賞情報

2019年 11月4日 11:05〜

新宿ピカデリー シアター10

E-10

 

ちょっと気になったタイトル。マイナー作品で上映館も少ないので鑑賞を諦めていたのですが、何を観るのか考えずに小田急線に乗っている最中にスケジュールが合いそうだったのでこの作品を選びました。

新宿ピカデリーに入ったのはどれ位ぶりだったろう?前売り券やパンフレットは購入するんだけどあまり使わない映画館なんですよね。

 

それでは感想です。

 

短い時間できっちりと楽しませてくれる良作

上映時間91分というのは最近の実写映画としてはかなり短い。でも、この短い時間で作品背景や起承転結、心情の移り変わりにエピローグの創造の余地を残したオチまでつけてくれる良作として仕上がっています。

 

ただ、ちょっと無駄がなさすぎて直前のシーンを振り返るのが難しいのが難点といえば難点。ノーカットで地上波でTV放送するとCMの時間でちょうどよくなりそう。

 

ジャンルで言うならロマンティックコメディなのですが、そkまで恋愛部分をメインとした作品ではないのでオッサンでも観やすいです。

 

エリザベットのついた切っ掛けの嘘

主役のエリザベットがついた些細な嘘を切っ掛けとして物語は始まるのですが、この嘘の大きさとその後の影響の大きさのギャップがこの物語の全てです。

 

作品では描かれていませんが、この物語の後で破産する者も多数出るでしょうし、主人公達も村八分というか裁判やら夜逃げをすることになるのかもしれません。

 

主人公を中心とした閉じた世界で巻き起こる限定された作品世界だからこそ成り立つ世界なのかもsれませんね。

 

憎めないクズ

タイトルの【英雄】であるヌヴィル大尉は詐欺師で女にだらしない正直クズ野郎なのですが、最後にどうにも逃げられなくなった結果に嘘が信憑性を持ち(真実になったとまではいえない)良い奴っぽくなります。

 

鑑賞者からの評価としては【憎めないクズ】になるのでしょうが頭に【憎めない】と付けたところでクズには変わりません。

ただし、個人的には最後に良い奴になる展開は好きではないのでクズを貫き通してくれたことは嬉しいです。いじめっ子が捨て犬を拾ったからって誰かからカツアゲした事実は消せないでしょ?最後は【ここで逃げるのかよw】と笑わされますが、エリザベットもやっぱりコイツはクズだったと再確認できたことでしょう。

ラストの笑顔はそういう意味だと思いたいです。

 

実は割と酷い結末だけどねw

 

総評

70/100点。何度も見られるような作品ではないけどふらりと入った映画館でキッチリ楽しませてくれるのは作品としてレベルが高いです。無料の動画サイトで観るというより地方の名画座で時々上映される作品として使われるのが正しい在り方なのかもしれません。

 

90分というのは2本立てでも使いやすいですしね。