鑑賞情報
2019年 9月28日 14:25〜
MOVIX橋本 シアター1
I-10
海老名から相模線を利用してMOVIX橋本まで移動し、3本目のフリーソロを鑑賞しました。それにしても売店で購入したフードを持って上の階のスクリーンに移動するのってちょっと不親切なレイアウトですね。最初から上の階で販売すればいいのに、と思っているのは私だけではないと思うんですけど。
それでは感想です。
ある狂人の記録
正真正銘、観察対象に密着したごまかしのきかないドキュメンタリーでした。
何しろ、カメラのすぐ向こうに死と隣り合わせで絶壁に挑むクライマーがいるわけですから。
ただ、この映画で私が最も恐ろしいと感じたのは、一歩間違えれば死に直結するエル・キャピタンの情景ではありません。
この断崖絶壁に対して危険を承知で挑む主人公、アレックス・オノルド自身に対してです。
劇中で彼の平常心の理由について脳化学的に理由付けがされているんですけど、その内容自体がアレックスの脳が常人とは異なった反応→脳ミソのイカれた人間ということを肯定してしまっています。そんなひどい言い方はしていませんけどね。
構成
最終的な目的であるエル・キャピタンへの挑戦はラスト20分程度で、残りはそこに至るまでの日々や想いについてです。
正直もうちょっとアタックのシーンを増やしてもらいたいとは思うのですが、そこまで極限状態の撮影を長時間行うことによってクライマーの集中を乱し、事故に繋がってしまっても寝覚めが悪いどころの騒ぎではないですからね。
何よりフリーソロによる登頂には事前の準備で事故の可能性を徹底的に排除することこそが肝心なので、この時間配分は適切なのかもしれません。オタク的発想でいうとゲームのRTAとかハイスコアなんかは実際のプレイもさることながら事前準備こそが大事ってことですね。
ただ、このアタックの記録は1時間58分7秒とのことなので、超望遠レンズやドローン撮影が進化したら、いずれ第1歩から最後まで全て撮影できるようになるのでしょうか?
そこまでしない限り、この映画を超えるクライミングのドキュメンタリーは当分出てこないでしょうね。
総評
75/100点。【レベルを上げて物理で殴る】をドキュメントで再現されると誰にも口出しが出来なくなるんじゃないかな?
途中が退屈だなんて、本物の画を体験するための予習みたいなものでしょう。