鑑賞情報
2019年3月17日
TOHOシネマズ小田原スクリーン8
F-9
グリーンブック鑑賞後、小田原城近くのバイク屋で電動スクーターの注文を行い、いつものラーメン屋で腹ごしらえをしてから2本目の【運び屋】を鑑賞しました。
劇場でクリント・イーストウッドの作品を鑑賞するのは1993年のパーフェクト・ワールド以来だから25年ぶり!……DVDではチェックしているんですけど映画館では縁のない映画人なんですよね。
それでは感想です。
不良ジジイのイケイケ人生
すみません、この映画のTVCMでクリント・イーストウッドの日本語吹き替え風のナレーションを聞いて、もっと重苦しい話を想像していました。
名俳優、名監督である氏のことをこんな風に言ってしまってはアレなのですが、こんなご年配なのにストーリーも演技もはっちゃけていて、一流のエンターテイメント作品に仕上げてくるとは思いもしませんでした。
もう、いちいち笑えますし、やっていることは悪いことで最終的には刑務所に入ってしまうというのに、本人はなんとなく幸せになってしまって見ていてホンワカしてきます。
この映画の数時間前にグリーン・ブックを観て、こちらも笑いがありつつも最後は感動させてくれるような作品だったのに、これをさらにエンタメ方向に振ってきた作品を見ることになるとは思いませんでした。
劇場内でも笑いがおきていたからなぁ。いつも客がまばらなTOHOシネマズ小田原とは思えないほどの客数が入っていたし、映画に対する押さえきれないリアクションが漏れ出してしまうというのも稀なこと。
こういう作品があるから映画館で映画を観たくなるんなるんですよね。
人種問題
そんな中、唯一『おや?』と思わせたシーンがタタ(イーストウッド演じる運び屋のじいさんの愛称)がパンクして困っている黒人夫婦をごくごく自然にニグロと呼んでしまう所。
呼ばれた黒人は何とも言えない表情で『訂正してくれ』と言うのですが、その言葉にかえってタタの方が困惑してしまうのです。
タタにとって【ニグロ】という言葉は蔑称でも差別意識が働いているでもない、単なる【黒人】というだけの言葉なんですよね。
でも、これが私の好意的な解釈で、この年代の白人にとって黒人という存在はナチュラルに下等に見てしまう存在で、そんなニグロから『訂正してくれ』と言われたことで困惑したのだとすれば考えさせられますね。
総評
80/100点。シネアスト/クリント・イーストウッドの力をなんの意識もせずに感じさせてくれる作品です。
上映終了までに、もう一回見ておきたいですね。そのうち名画座系の映画館でリバイバル上映もされそうなジャンルなので、その時も観に行きます!