2018年9月23日の鑑賞2本目は【パパはわるものチャンピオン】です。

個人的には最近すっかりプロレスからご無沙汰なんですけど【普通にいい話】としてプラス、【プロレスファンがニヤニヤしてしまう】描写に楽しませてもらえました。

 

それでは感想です。

 

原作をふくらませるシナリオ

ご存知のとおり原作は絵本です。そのまま映画化したらスカスカになってしまうので映画なりの脚本となるのですが、その味付けが秀逸でした。

まぁ、王道というかお約束とまで言えるような内容で、スクリーンを見ながら常に【次はこうなるんだろうな……】っていう展開が思い浮かんで、ホントそのとおりに進んでいくんですよね。でも、それは決して悪い意味ではなくて【これ以外にない】っていうド直球で勝負してくる証明なんですよ。

そのおかげでプロレスファンでなくても普通に感動できる作品に仕上がっています。

 

ファンだけに通じる笑い所、泣き所

普通に良い作品というだけでなく、プロレスファンに対するサービスを盛り込んでくれている所で更に評価が上がります。

【ピークを過ぎているのは分かっている】なんていうセリフを棚橋から聞かされたら、実際にケガで苦しんでいる本人とシンクロしちゃってガチのファンならこのシーンを見ただけで号泣モノです。

他にもプロレス中継のシーンの小さな映像でプロレスラーが本来のギミックから大きく外れたキャラクター付けの試合をしていたり、スィーツ好きの真壁刀義の役名が【スイートゴリラ丸山】っていうのも笑える所ですね。

 

ふんわり演技(笑)

残念ながら主演の棚橋をはじめとするプロレスラーの方々の演技は本職ではないので【よく頑張りました】レベルです。

 

とりあえずここは【普段とは異なるギミックだから】と好意的な解釈をしておこう。

 

なお、ドラゴンジョージのオカダ・カズチカのマイクアピールがたどたどしかったのはいつも通りなので、ある意味リアリティのある自然な演技かもしれません。

 

いいんですよ!肝心要の肉体言語は滑舌ハッキリしているんで。

 

それにしても、ギンバエマスクの田口隆祐だけ演技力が突出していません?……この映画のヒットでスピンオフ作品がVシネマで作られても全く問題なく主役張れますよ!?

 

気になった点

 

良かった点や好意的な解釈ができる点だけでなくネガティブな意味で気になった点も挙げてみます。

作品自体は王道で大正義なのですが、演出まで無難になってしまって少し古臭く感じてしまいました。ゴキブリマスクの正体が息子にバレたシーン、いくらなんでも演出が古すぎでしょ!平成最後の年に昭和の映画を見せられたかと思いました。

 

あと、これはプロレスファンの目線ですがブックやアングルに取ってつけた感があります。実際のプロレスで試合の最中にマスクを外す行為は事前の打ち合わせがあってこそ。

 

そもそもこの作品の中でプロレスの試合は筋書きのない真剣勝負という描かれ方をしていますが、実際はねぇ……

 

プロレスを知らない人にとっては【相手をロープに振れば跳ね返って戻ってくる】とか思うでしょ?ありえないですからね!

 

総評

70/100点。普通のファンには感動を、プロレスファンにはプラスツッコミ所を提供してくれる作品。

だからこそ本当に作品を楽しめるのはコアなプロレスファンよりライトなファンなのかもしれません。

 

ちなみに、もうちょっと細かいシーンを確認したいので再度鑑賞する予定です。