2018年7月31日、翌日に有給休暇を取得したので仕事帰りにTOHOシネマズ小田原まで足を運んで【未来のミライ】を鑑賞してきました。

夜のTOHOシネマズ小田原

翌日なら鑑賞料も安いのですが、すでにムビチケカードを購入済みなので観客が少ないであろう前日を選んでみました。ファーストデーは別の作品を観るのに空けておくことも必要かな?という意識もあったのですが、結局終わってみると1日は漫画喫茶で見逃していたマンガの一気読みとかしていました。

川崎チネチッタの【カメラを止めるな】の上映がどの時間も満席近いんだもん。

まぁ、それはいいとして感想です。

演出>>>>>越えられない壁>>ストーリー

今作の最大の問題点。とにかく絵は良いし、よく動く。画でストーリーを表現したり一見意味のないようなキャラクターの立ち位置や移動で心情を表現したり(そのための家のデザインですよね)、自転車に乗るエピソードの目線による意識の表現など演出面は最近のアニメの中でも突出した出来栄えです。

 

それだけにストーリーがなぁ……

 

いえ世間一般の映画は、通常演出の素晴らしい作品はストーリーが弱く、ストーリーが良い作品は演出に不満が残る傾向があるのですが、この作品ではその点が特に気になります。

 

というのも細田守監督作品のストーリーの殆どが家族をテーマとした作品で、ただでさえ脚本が弱いのに【また家族モノかよ……】という印象を受けてしまい、より話について辛口になってしまうのです。

 

演出での不満

……とはいえ今作では演出面でも不満があります。元々は脚本の弱さから出てきた不満なのですが、CGによる家のルーツを辿る演出、サマーウォーズのオズのパクりというか再利用っぽくありませんか?

図書館を例に挙げるのであれば、もっと異なる表現方法があると思うんです。くんちゃんや子供の頃のおかあさんが家の中を散らかしまくった時のように本が撒き散らかされて、その散らばった本のひとつひとつに過去の情景が掲載されているとかね。

ここで急にデジタル的な表現見せられてもなぁ。

 

くんちゃん

【わがまますぎて不快】といった意見もありますが、子供ってこんな感じですよ。

独身で子供のいない自分だって納得のリアリティです。文句を言っている人って自分が子供の頃どんなだったか知らないのかなぁ?

その昔、デスラー総統(の中の人)が【子供達を責めないで】という曲で 【私は子供に生まれなくてよかった】と歌って(?)いましたが、くんちゃんにダメ出しする大人はギャグではなくマジでそういう思考回路なのでしょう。

 

演技

くんちゃんの声の演技に否定的な声は多いようですが、アニメ的でないだけで自分はそれほど悪くは感じなかったですね。古いオタクなので作画とかエフェクト、動きのタイムシートには拘るのですが声優についてはそれ程うるさくないからでしょうか?

ただ、有名俳優のみで固めるのは客を呼ぶために必要であったとしてもクオリティ的にはどうなのか?と思うところはあります。キャスティングはあくまで作品のクオリティ向上のためだけに決めるものです。

 

どうでもいいけど福山雅治で【そして爺になる】禁止。

 

総評

60/100点。期待値が高かったので現時点ではこの点数。細田監督は今後もメインテーマとして家族関係を描き続けると思うのですが、そろそろ直球ではなくエンターテイメントの陰に滑り込ませるようにして家族関係について表現する脚本で映画を作ってもらいたいです。