2018年3月24日、アミューあつぎ映画.comで鑑賞しました。
去年、時間がなくて観られなかったので、アミューあつぎのスケジュールにギフテッドのタイトルを見つけた時から公開を楽しみにしていました。
まぁ現在上映中ではなく少し前の作品なのでネタバレというよりも個人的な印象を書いておこうと思います。
普通にイイ話+α
実の家族という関係ではないのですけど、作品のジャンルとして言えば基本的に【親子モノ】です。ストーリーもいい話で展開にヒネリやどんでん返しはありませんが普通に楽しめます。
でも、それだけじゃないんですよね。
演技のひとつひとつが細やかで、この監督がいかに入念に演技指導をしているのかが意識しなくても伝わってくるのです。
個人的に一番好きな部分はメアリー(天才少女)の鉛筆の持ち方。ちゃんとした持ち方を指導されていないほどの幼さなのに天才的な数学力を持っているという特異性が伝わってきます。
ギュッとそのまま握るのではなく、幼さを連想させる指の柔軟さを利用して【握る】と【摘む】を共有したような持ち方は監督のアイデアでしょうね。さすがマーク・ウェブ監督!
たぶん【普通にいい話】で楽しめる作品というは観た時は感動できても【その時】だけなんですよ。
こういった細部の描写やこだわりの演出などによって、後にそれぞれのシーンを思い出したり考えさせられたりすることに繋がってくるのです。
ストーリーの良さは前提条件……名作は演出ですよ。
親の視点、子供の視点、第三者の視点
家族モノの作品はこの視点の割り合いをどのように振り分けるかで全体の雰囲気が大きく左右されます。
この作品では親からや第三者から子供に向けての比率が大きかったですね。
というかメアリーの目線で語られる物語はバスの中でいじめっ子に対して分厚い本でどついた部分だけかも?
この描き方は、おそらく作品を観るであろう大人たち(私達観客)がメアリーに対する印象を主人公のフランクを始めとする大人たちと共感させるような作りです。
一方、この作品と同じく天才の子供と親との関係をテーマにしながら子供からの視点メインで描いた作品が【天才スピヴェット】です(この作品も大好き)。
こちらは逆に主人公スピヴェットの視点とモノローグだけで話が展開していきます。突飛な思考をする天才の視点で世界を見ると、観客はこの天才の考え方に共感してしまうのが面白いです。
演出意図から監督の見せたいもの、共感してほしいものを意識せず受け入れられる作品は名作ですね。
総評
ホント観てよかったです。演技や演出だけで名作と呼ばれる作品は凄くはあるんだけど楽しめるかどうかは疑問があります。
脚本がしっかりしているうえで演技演出をしっかりとしてもらえると、自分のような映画素人でも楽しめる作品になります。
これからも、こういう映画を観ていきたいですね。