2018年2月1日に行った映画のハシゴ最終作品の感想です。

最後に相応しく、一番自分好みの作品でした。

クライムサスペンス?

この作品の紹介に【クライムサスペンス】という言葉が使われていました。

作品を鑑賞するまでの事前予想では、この言葉が頭の片隅に残ってしまい、もっと推理モノ的な要素のある作品だと思いこんでいました。

 

しかし蓋を開けてみるとクセのあるギャグ要素や変なキャラクターのクセにほっこりさせてくれる演出なんかもあり、最後はシリアスな笑いまで含んだ余韻のあるラストで最後まで楽しませてもらいました。

 

個人的な意見として『映画をハシゴする際、作品に涙は求めていない』ので、こういった作風は大歓迎です。

 

キレたキャラクター達

この作品の最大の見所は登場人物ひとりひとりが何本かネジがブッ飛んでいるキレキレのキャラクターだという所でしょうか?全員変なキャラクターなので、変な反応自体に違和感を感じないのもスゴい。

なんというか『コイツらならこの位仕出かすだろう』って思ってしまうんですよね。ですから◯◯の自殺は驚きました。そして、そんな行為に行き着くことで、この人も【キレた】キャラクターの一人だったんだなと思い知らされたのでした。

 

しかし、これだけ息をするように犯罪行為に踏み切る人達ばかりの街ってなんなの? (^_^;)

 

思い出したあの作品

内容に直接的な共通点はないのですが、なんとなくトム・ハンクスの【メイフィールドの怪人たち】を思い出しました。

【オラが町】的なごく狭い範囲の世界観。登場人物全員のおかしな性格。おかしな性格から導き出される判断と結末……それと作品から漂う空気感なんかからそんな風に感じたのかもしれない。

 

ただ、絶対的に異なる点が2ヶ所あって、それがこの作品の完成度を一段階上げ、ヒットを2段階下げる結果となっています。

 

余韻のあるラストシーン

異なる点その1はラストシーン。【メイフィールドの怪人たち】は、ラストでストーリーの謎についての回答を取って付けたように見せてしまい、【はい、これでこの話は終わりだよ〜】と言われた気持ちにさせられます。

 

対して【スリー・ビルボード】の方は今後もこの物語の世界は続いて、この変なキャラクターたちはどこかで変な生活を続けていくんだろうと思わせてくれるラストとなっています。

 

ラスト、主人公が立ち去るシーンで終わるのは映画としてありきたりなのかもしれませんが、自分は好きです。

 

邦題

異なる点その2は邦題のつけ方。

 

【メイフィールドの怪人たち】の原題は【The ‘Burbs】。日本でも人気俳優として名前が知られ始めたトム・ハンクスが主演とはいえ、原題のままでしたらスマッシュヒットは望めなかったと思います。

 

一方【スリー・ビルボード】……このタイトルで興味を持って劇場に足を運ぶ人はいるのかなぁ?

 

おそらく日本人にとって【ビルボード】という単語で連想するのは音楽のヒットチャートなんかであって看板を思い浮かべるのはごく少数だと思うのです。

 

それとも単語自体の音や語感のカッコよさだけに着目して原題そのままで上映することにしたのでしょうかね?

 

まぁ【ヒドゥン・フィギュアズ】よりは日本人の耳にも聞こえの良いタイトルだとは思いますが、こういった作品こそ客足に違いが出るくらい秀逸な邦題をつけてほしかったです。

 

総評

 

映画館にもう一度行きたくなるほどの作品でもないし、買って手元に残しておきたくなるほどの作品でもないけどテレビ放映したらとりあえず見たいくらいには面白いです。

入場料が安い時に映画館に行けるのであれば観賞候補の上位に挙げられる作品なので興味があったら観てほしいですね。

また、劇場で鑑賞するウリは特に無い作品なので、Amazonビデオでレンタル始まったら借りてみるのも良いかもね!

 


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