鑑賞情報

2020年6月14日 9:50〜

TOHOシネマズ小田原スクリーン1

I-19

 

2020年28本目の鑑賞作品。ムビチケは購入していたけど実際に見に行ける時間が取れるか不安だったのでメルカリで売ってしまいました。14日はTOHOシネマズデーということで1200円で鑑賞できるので損はありませんでしたが結構回りくどいことしていましたね。

それでは感想です。

グレタ・ガーウィグ作品

 

良くも悪くもグレタ・ガーウィグらしい作品。

なんというか、【女性の選択肢が肯定される物語】とでもいうのでしょうか?

男目線で見ると、ちょっと都合が良すぎるんじゃないかな?とは思ってしまうんですけど、そこは女性が普通の映画を鑑賞する際に【この話、ちょっと男に都合が良すぎない?】と感じてしまうことの方が多いと思うので受け入れるべき問題だとは思います。

 

それでも気になってしまうのは男の目線というより、私が高校時代に読んだかわぐちかいじの愛物語という作品が影響しています。

第一話の中で【女性がガンバるってのはまだまだ女性の時代じゃないってことかな】というセリフがあるのですが、これがずっと頭の片隅に残っていて離れないのです。

グレタ・ガーウィグ作品を観るたびに【これ監督が聞いたら激怒するんだろうなぁ?】と思い出します。

 

若草物語とグレタ・ガーウィグ

 

この作品の原作は若草物語です。それをグレタ・ガーウィグ的演出で描くというより若草物語のキャラクターに自身のキャラをあてて作ったように感じてしまいます。

ラストの小原作改変もキャラ自体をアレンジしたことによる結果ですし。

 

【自身がそうだから】という想いも相まって、グレタ・ガーウィグ作品は女性主人公への感情移入が強すぎるのです。

そういうキャラクターを主人公に据えたレディ・バードはキャラクターと脚本、監督の想いがきっちりとハマって、私のようにそこまで作品を気に入っていない人間からしてみても名作と思わせる出来栄えでしたが、今作は【若草物語】という大前提があるのに自身の目指すキャラクターを原作主人公に当てはめてしまうのはちょっと強引だったかなと思います。

 

確かにこちらの方が納得は出来るんだけど、この古典に思い入れのある人からしてみたら、ジョーの葛藤について思う所もあるんだろうね。

 

ビジュアル

 

それでも作品に説得力を持たせることができるのは映像の素晴らしさなのではないでしょうか?過去と現在が特に説明もなく入り組み繋がる場面でも、色調をメインとしたルックの変化で分かりやすく伝えてくれているので比較的スムーズに話を理解することができます。

これ、割と分かりやすい手法なんだけど観ていて混乱される方多いですよね?映画の過去シーンを青みがかった色調にしたりマンガの外枠をベタ塗りするのは過去シーンの基本なので作品を楽しむための最低限の前提条件として覚えておくようにしましょう。

 

総評

 

60/100点。単体で見ると楽しめるんだけど、グレタ・ガーウィグ作品として見ると【またこの作風か】と感じてしまう。

引き出しが少ないんですよね。伝えたいテーマは一定でかまわないので、そのための手法がワンパターンだとがっかりしてしまいます。