鑑賞情報

2020年11月29日 10:00〜

あつぎのえいがかんkikiスクリーン3

E-10

 

2020年77本目の鑑賞作品。全然気にしていなかったんだけど、あつぎのえいがかんkikiで上映されていることを知って【そういえば以前、武蔵野館だかシネマカリテだかでで上映していた時、遅い時間だったから鑑賞するのを取りやめたんだよな】と思い出して観ることにしました。

それでは感想です。

 

露骨な低予算が残念

 

コンセプトは良かったと思うんですよ。最近色々と見かけるロングカットは普通に上映されていれば【カメラを止めるな!】や【1917】なんかよりも遥か以前に達成されていた偉業ですし、劇中の時間経過と鑑賞時間の経過が一致しているので、武蔵と観客の体感時間も一致していて没入度が高くなるハズでした。

 

でも、いくらなんでも予算が貧弱過ぎましたよねぇ……

 

特に残念だったのが出演者の少なさ。敵役の吉岡道場の道場生は事故防止のための保護材で着ぶくれしているうえに頭を叩かれる役者も保護材の為にパッドを着ける関係上、同じような髪形でどいつもこいつも量産型の佐藤健みたいなのばっかりなうえ、着られ役は一昔前の時代劇のように何度やられても画面の外に出ていくだけで新たな切られ役の順番の列の後ろに並ぶだけという稚拙さ。

学芸会かよっ!

主演の坂口拓さんが本格的にアクション指導なんかもやっている俳優なのですが切られ役が単調な分だけ切り役の武蔵の攻撃方法も限定されてしまい戦いが単調になってしまいました。

これならば、もっとしっかりとアクションプランを考えて一発撮りに拘らない緻密なつくりを目指した方が良かったんじゃないでしょうか?

特に大上段で声を出しながら無謀に突っ込んでいくだけの敵を抜き胴で切り払っていくシーン!……思い出してみると【77分のワンカット】に今年の【鑑賞本数が77本目】という【7のゾロ目】なこともあってパチスロのARTかと思いましたよ。押し順ナビでメダルが増えていくあのボーナスですね。

ちなみに竹筒に入れた水で一息ついている場面は船幅機関かリプレイが頻出している状態ですw

 

新規撮影シーン

一方、7年前に撮影されたままになっていたワンカット77分ではなく、新規に撮影された数年後の河原での戦いはキッチリと魅せる殺陣ではあったのですが前半の長回しのようなケレン味は少なめです。

長回し前後の新規撮影分が追加されたことによってようやく映画は完成したわけですが、個人的にはもっと早く世に出て【知っている人には刺さる作品】として狭く濃い鑑賞者の間で心に残っていく作品になってほしかったです。

 

総評

55/100点。色々な何かをちょっとずつ間違えてしまった結果、着地地点を大きく間違えてしまった作品。

絶対に面白くなると思ったんだけどなぁ。

ただ、話の説明が足りないとか、都合よく水筒あり過ぎという一部の感想はさすがに無知過ぎる。

吉岡道場との決闘なんて、宮本武蔵の話では避けて通れない有名なエピソードだし、決闘前に木の上で待ち伏せしていた武蔵ですよ?水筒なんて事前に仕込んでおいたのに決まってるじゃないですか。

 

物語を楽しための最低限の情報以前に常識ですよ。