鑑賞情報
2019年 12月8日 11:40〜
ユナイテッドシネマ・アクアシティお台場 スクリーン4
K-21
近場で上映していたというのにグズグズしているうちに上映期間が終了し、お台場まで足を運んで鑑賞することになりました。
まぁ無事観られて良かったです。
パンフレットは売り切れでしたがメルカリで格安で入手したのでよしとします。
それでは感想です。
既視感
清々しいストーリーで受け入れやすい物語ではあるんだけど、ちょっと【どこかで見たような……】という思いが拭えません。
というより、監督の作品が【挫折からの再起】ばかりに思えるのです。
テーマと舞台が同じだと、どの作品も似通ってくるのは自明の理でしょう。
いくら良い作品であったとしても、同じようなものを見続けているのであれば話は別です。細田守監督作品を見るたびに【また家族の関係がメインか……】って思うでしょ?伝えたいことが同じなのは良いとして、そのための手段まで同じにしてしまったら、結局似たような作品を何度も作っていくだけだと思うのです。
そろそろ見せ方を考えてもいいんじゃないかなぁ?
あと、アニメはそろそろファンタジー要素としての飛行シーンから卒業するべきだと思うの……
置いていかれたギター
取り残されて部屋から出られない過去のしんのって、生霊というより置いていかれたギターの擬人化ですよね?あおいがベーシストだから実現しなかったけど、もしギターを持ち出していたら過去のしんのが現れたか微妙だし、部屋に閉じ込められる要素もなかったかも。
あおいの担当をギターではなくベースにした理由の一つかもしれません。ただ、あのストーリーであおいにギターではなくベースに興味を持たせるのであれば、元ベース担当の警察官とのからみをもうちょっと丁寧に書いても良かったんじゃないかな。
見たいシーンが描かれない
どうして肝心な本番のシーンがないんだろう?楽曲的に新渡戸 団吉の演歌が合わないとしても、音の焦点を演奏に合わせてモノローグを被せるとか、やりようはいくらでもあるのに……
起承転結の【転】を考えてから物語を作るのは作劇の基本だとは思うのですが、【転】の中にも【切り替わる瞬間】と【転全体のイベント】があって、この作品の場合、転全体を描き切った段階で満足してしまって描写を省略してしまっているんです。
ここから【結】が結婚式の一枚絵っていうのはざっくりしすぎていると思うんだけど。
総評
70/100点。話自体は受け入れられるけど、なんとなくいい話をなんとなく受け入れただけのような気がしてきてモヤモヤしてしまいます。
あと、【東京へ出て一旗揚げる】っていう話なのに舞台が秩父っていうのはちょっと敷居が低いw
それとも、これだけ秩父を舞台にしているというのに監督には秩父に対して自虐的な思考があったりして。