鑑賞情報

2019年2月10日 14:45〜

TOHOシネマズ小田原スクリーン7

E13

 

シティーハンターの後に鑑賞しました。正直【凄い映画】ではあるのですが【面白いか?】と問われると否定しかありません。この作品に感じるのは凄みとか恐怖ですから。

 

それでは感想です。

 

【ニール・アームストロングの世界】の再現

鑑賞前に自分がこの映画に求めていたものは【アポロ13】のようなモノでした。

ただ鑑賞中に意識が変化していって【これはニール・アームストロング船長の体験談だ】ということに気付きました。

 

改めてタイトルを見ると前者はミッションの名前で、後者は一人の人間の名前ですからね。最初から【そういった】コンセプトで作られた作品ということです。

 

死から逃れるために死へと向かう

死んだ娘を埋葬するために掘られた穴はニールにとって死への入り口です。底の見えない穴を覗き込むたびニールは死を意識し、そこから逃れようとします。

 

一方、地面の穴とは真逆にある宇宙の月も死のメタファーです。月を見上げると誰かの死を暗示させるのです。

 

ニールのミッションは【月面への到達】なのですが身近に存在する【穴=死】から逃れるために【月=死】に向かうというのが倒錯しています。

 

死ぬかもしれない危険なミッションを何度もこなすことによって死の象徴に向かうニールの精神はいったいどんな状態だったんでしょうかね?

 

この感想記事を書いている2019年2月17日のニコニコ生放送【岡田斗司夫ゼミ】がファースト・マンについて語る回だったのですが、岡田氏も死のイメージについて細かく言及していたので映画の感想サイトで納得のいく意見が見られなかった不満を解消してもらえました。

 

死の象徴に辿り着いて

作中、眠気を感じてしまった人も月面の光景は息を呑んだのではないでしょうか?

もう画面の密度がぜんぜん違う。いつもの映画館で鑑賞して【あ、これIMAXで観るべきだった映画だ!】と悔しく思ってしまいます。

 

また、死んだ娘の形見のアクセサリーを月のクレーターへと落とすシーンは意味が分からなくても感動するシーンですね。

 

死の象徴である月で見つけた死への入り口に娘の遺品を放ることによって、ようやく娘の死を心から受け入れることが出来たのではないのでしょうか?

 

事実、この後ニールは宇宙飛行士を引退し、NASAからも離れます。自身につきまとう死の影から逃れたのでしょう。

 

総評

70/100点。正直、面白くはないんですけど観ておくと後々【劇場で観ておいて良かった】と思えるような作品です。

 

あと個人的には今作でライアン・ゴズリングという俳優を強く意識しました。

ラ・ラ・ランドやブレードランナー2049では【作品ありき】だったんですけど今作がニール=ゴズリングをメインに据えた話だったのでそう思えたのかもしれません。

 

なんかビジュアルと名前でライアン・レイノルズと被っていたんですよね。

 

これからはライアン・レイノルズのこと【インテリなライアン・ゴズリング】と呼ぶのではなくて、ライアン・ゴズリングのことを【草食系ライアン・レイノルズ】って呼ぶことにするよ!(なんのこっちゃ)。