2018年10月14日、TOHOシネマズ海老名にて【バーバラと心の巨人】を鑑賞しました。

ストーリー以前に作品のルックで大いに楽しませてもらったんだけど評価は真っ二つに分かれそうな作品ですね。

 

それでは感想です。

邦題問題

 

洋画の日本公開の際、あまりに数多く繰り返される【センスのないタイトル】問題……

 

この作品でもオリジナルタイトル【I Kill Giants】を【バーバラと心の巨人】としています。タイトルで既に【心】と言って【巨人の存在はバーバラの妄想でしかない】と断言してしまっているわけです。

 

劇中では巨人殺しの武器であるはずの武器である【コヴェルスキー】が現実ではちゃちな玩具でしかなかったことでバーバラの【巨人を殺す】という信念が揺らぐ大切なシーンが映画が始まる前からバラされてしまっています。

 

単に【巨人殺し】とかでよかったんじゃないですかね?

 

妄想?現実?

 

まぁ、巨人の存在は妄想でも良かったと思うんですよ。バーバラ自身は巨人の存在を信じていたし、巨人を倒すことが母親を始めとする街の人々を守ることだと思っていたのですから。

 

実際問題として巨人が襲ってくるような世界観ではないですしね。

 

だからこそ、妄想か現実かという部分に答えが出てしまっている状態で鑑賞することになってしまったのが残念です。

 

作品のルックで呪術的な儀式や空気感でリアリティを持たせ、【この映画の世界観では巨人の存在もありえるのかもしれない】という疑問をタイトルの部分で否定してしまっているので話を追う楽しみが減ってしまっているのです。

 

タイトルが原題どおりならば、たとえ巨人の存在が現実ではなかったとしてもバーバラの戦いは本物だったと胸をはれたと思うんですけどねぇ……

 

ビジュアル

 

それでもビジュアル面でのカッコ良さは圧巻です。ある意味【厨二病】なバーバラですが、行動がラノベ的というよりD&D的なアプローチで彼女の本気度が伝わってきます。

 

【アメリカでこんな風景があるの?】とアメリカの国としての多様性に驚かされたのですけど基本アイルランドでロケを行い、印象的な海岸はCGらしいですねw

 

秘密基地の小物といい、セットデザインの勝利でしょう。

 

総評

 

70/100点……ただし邦題のネタバレがなかったら。

 

どうせタイトルで観客動員数が左右されるような作品じゃないんだから、せめて実際に劇場に足を運んだ観客をガッカリさせるようなタイトルは止めてほしいです。

 

 

ビジュアルが美しいのでレンタルするかもしれません。とりあえず紙の本の1/3で買えるKindle版で原作の空気にも触れたいです。