2018年10月7日、TOHOシネマズ小田原で【プーと大人になった僕】を鑑賞しました。

 

少し残念だったのは吹替版の鑑賞だったこと。評価で【英語のセリフがシンプルでゆっくりなので聞き取りやすい】とあったのでオリジナル音声で聞いてみたかったんですけどね。

まぁ、英語の聞き取りに気を取られるずに作品に集中するにはまだ早いか……

 

それでは感想です。

 

クリストファー・ロビン

 

この作品の原題は【Christopher Robin】です。プーさんの名前がメインではなく主人公のクリストファー・ロビンがタイトルとなっています。

 

これは、この主人公の名前が原作が発表されたイギリスとディズニー版で知られるようになったアメリカでは一般的なのに対して、日本ではそこまでの知名度はなくタイトルにするにはマーケティング的に不利と判断されたからでしょうね。

 

 

同じようなコンセプトの映画で大人になったピーターパンを題材とした作品タイトルは【フック】のまま日本で公開されましたね。

こちらがフック船長という名前が残されたのはクリストファー・ロビンよりも知名度があったからなのかオリジナルのタイトルを大切にしたかったからなのかは分からないですけどね。

 

日本のマンガだって海外向けのローカライズによってキャラクター名が変わることもありますし、キャラクター知名度だけでは推し量れない問題なんかもあるのかもしれませんね。

 

社畜描写

 

ネットでは【クリストファー・ロビンが中間管理職の社畜になっていて観ていて身につまされる】といった感想がありましたが、本気で厳しい職業についている日本人からしてみれば【言われるほどブラックでもないよね?】といった意見もちらほら。

 

こういった所でイギリス、アメリカとの温度差を感じてしまいます。

 

ただ、寄宿舎への進学のように子供から大人に変わるための変化は早期で劇的であり、更に従軍経験で大人にならざるをえなかった分、自分のように大人になっても独身で、中学生の頃からマンガアニメ好きの生活をしている人間からしてみればプーさんとの再開は歓迎しかないんですけど、【大人になった僕】からしてみればたまったものじゃないだろうなぁ。

 

 

一歩間違えたら【劇画・オバQ】と化す可能性もあったんでしょうね。

 

残念なラスト

 

何も考えていないようなプーさんが色々と哲学的な台詞を語るのが作品の醍醐味ではありますが、最終的にはちょっと拍子抜けな逆転の発想によってピンチを脱してハッピーエンドを迎えます。

 

作品的にバッドエンドは後味が悪いからだとは思うのですが、最終的に100エーカーの森の住人たちとの間にちょっとしたキズや痛みといった関係は残してほしかったです。

 

単純なハッピーエンドだけだと【昔は良かった】みたいな安易な結論になってしまい、これまで過ごしてきた時間と経験も幼い日の僅かな期間に体験した思い出に負けてしまう気がするので。

 

総評

65/100点。最初は60点だと思っていたけど【ピーターラビットより5点しか上じゃないっていうのはおかしいだろ!】と考えて上方修正しました。

 

あまりに安易なハッピーエンドではなく考えさせられるような余韻があれば更に良かったんですけどね。