2018年7月8日の映画2本目は以前から気になっていた【ブリグズビー・ベア】です。

先に観た【セラヴィ!】も相当に面白かったのですがブリグズビー・ベアが良すぎました。

……もしかしたら現時点で今年のベストかもしれません。

それでは感想です。

人格と作品は別問題

よくミュージシャンや漫画家が犯罪を犯し、結果として作品が販売を中止したり回収騒ぎになったりします。

でも、作者の人格と生み出された作品の評価は別問題なんですよね。

誘拐したジェームズを監禁し続けたテッドは確かに犯罪者なのですが、彼が作ったビデオは確かに傑作だったのだと思います。

劇中、ジェームズがスペンサーに『14巻あたりからヤバくなる』みたいな発言をしていましたが、おそらくこの辺りから【ジェームズに対する教育ビデオ】という側面から【ジェームズだけを楽しませようと描かれる作品】という風に内容がシフトしていったのでしょう。

【”映画大好きポンポさん】の中に『その映画を一番見てもらいたい誰かのために作ればいいんだ。そうしたらフォーカスが絞られて作品の輪郭がグッと立つ』というセリフがあるのですが、まさしくジェームズのためだけに生まれた作品が結果として多くの人達の目にとまることになったのではないでしょうか?

 

いや、着ぐるみの機構といいストーリーといい……なにより演技といいwテッドはこっち方面の才能があったんだろうなぁ。

 

お涙頂戴にはならない

感動系ではあるのですが、安易なお涙頂戴になっていないのがいいです。ジェームズは25歳まで監禁されていたのですが、10代前半で助け出されたら、外の世界とのギャップでもお涙系のストーリーになっていたと思うのです。

20代半ばの野暮ったい風貌の男の物語は涙腺を刺激するような共感は得られず、私達観客に客観的な視点を与えてくれます。

この作品を、先日観た【ワンダー 君は太陽】より気に入っているのはこういった部分からですね。

なんとなくトゥルーマン・ショーに通じるものを感じたのは自分だけでしょうか?

 

総評

80/100点。もう理由抜きに楽しめたのでこの得点です。

ソフトが発売したら購入する予定ですが、そんなことよりTシャツが欲しい!

 

あと残念なのは内容が殆ど無い8ページの折本パンフレット。フォックスのような読み応えのあるパンフレットだったらなぁ……

それと細かい描写も見てみたいので小説版希望します!