2018年5月26日にハシゴした映画の3本目【モリーズ・ゲーム】の感想です。この日観た作品で唯一ムビチケを購入していなかったし、劇場で予告編を観たわけでもないのですが、無性に気になってずっと観る機会をうかがっていました。

新作映画も控えており、そろそろ上映も終了するので無事鑑賞できてひと安心です。

 

それでは【モリーズ・ゲーム】感想です。

実話の基づく物語と映画的アレンジ

自分の最近の映画鑑賞作品に多い【実際にあった話をベースとした映画】です。多少ドラマチックな展開はありますが概ね原作の流れを損なわない内容だったと思います。

ただ少しだけ気になったのが、モリーの【現在】と【過去の回想】が細かく入れ子構造になっていて場面の転換に時系列の変化を挟む手法を多用している点。シーンの変更はスムーズになるかもしれないんだけど、ちょっとだけ変更される場面の前後の関係性と転換される事柄の意味の繋がりが弱いんですよね。

場面は大きく変化しているんだけど、話は劇的に進行しているわけではないというか……

 

まぁ、そのおかげでラストシーンの過去シーンを用いたエピローグの存在感は素晴らしかったんですけどね。ある意味、このラストを見せるために作られた作品なのかもしれません。

 

俳優

とにかく俳優の演技が光る作品。映画は基本的に主役モリーの一人称なのでジェシカ・チャステインの存在の説得力=映画の出来になります。自然とモノローグも多くなって撮影での彼女の負担も大きかったろうなぁ……

イドリス・エルバ(ペントコスト司令の人)は、ちょっといい人すぎる気もするけど【弁護士として冷静にならなければいけないんだけど、なりきれない熱さ】がカッコいい。彼なら怪獣を倒すために自爆ぐらいはする(オイ

父親役のケビン・コスナーは最近こういった役が多くなってきましたね。同じような年代の役だとニュアンスの違いでマイケル・キートンと出演を二分している印象があります(頑固寄りがケビン・コスナーで狂気寄りがマイケル・キートン)。

プレイヤーXは流石にトビー・マグワイアを使うわけにはいかないよねw

 

上映時間

作品自体は最後まで楽しむことができたのですが、唯一気になったのは140分という長い上映時間。エピソードを削ってでも2時間以内にまとめて、後日特別編集版として長いバージョンを見せても良かったんじゃないかなぁ?

ロシアンマフィアに殴られるあたりで一瞬意識が飛びかけたのは、モリーに感情移入していたからではなく疲労が原因だと思う。

 

まぁこの日は映画のハシゴ3本目だったからという理由もあるけど、普通の観客だったら1本目でも辛く感じる上映時間ですよ?

 

すべての映画ファンの読むべき漫画【映画大好きポンポさん】にも【2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくない】というセリフが出てきますしね。

 

総評

70/100点。時間経過の構造とか長さとか言いたいこともあるんだけど作品自体が面白いので、これ以上点を下げる要素がありません。辛口評価での70点なので、アニメのような評価の甘い形態での作品だったらもう少し加点されるかもしれないです。

 

これは映画館で観るより、週末の長い夜の有効的な時間の使い方として選択される自宅での映画鑑賞で楽しみたい作品ですね。この感想をあげる頃には上映は終了していると思いますが、あまり気にせずビデオソフト化を待ってから楽しんでください。