映画【メッセージ】感想

2017年5月21日TOHOシネマズ小田原にて映画【メッセージ】を観賞しました。

映画【メッセージ】公式サイト

原作小説は未読……というより映画を観るまでガマンしていました。これでようやく読むことができる。

鑑賞済みの方向けに書いているので観る予定のある方は読まないでください。

【メッセージ】の見所

説得力のある画面づくり

世界12箇所に予告映像でもおなじみの『ばかうけ』が現れるのですが、その存在感がすごい!突如巨大宇宙船が現れるというのはインディペンデンス・デイなど割りとポピュラーなシチュエーションだと思うのですが、従来の作品が一応宇宙船的なビジュアルで説得力を保っていたのに対し、今作品は『ばかうけ』ですからね。

形でというよりスケール感のみで謎の飛行物体の説得力を出していることに圧倒されます。『ばかうけ』そのものより、それが存在する空間を描けている方が何倍も重要ということに気付かされます。

『ばかうけ』内部で重力が90°変換されるのもいいですね。重力の方向が変わるのはSFアニメの定番表現なんですけど、限定された空間とはいえ地球上のシーンでこの現象を見られるのは新鮮でした。

最も好きな絵は最後に『ばかうけ』が消失するシーン。時間の概念すら超越している彼らの移動は明らかに高次元的なんですよね。

現在放送中の【正解するカド】において、高次元的存在の『カド』ことフレゴニクスの高次元的移動の視覚的表現に全方位から見て遠ざかる=その場で小さくなっていくように見えるという表現を使いましたが、『ばかうけ』は纏う空気を残してその場から消失するというビジュアルで表現しました。好みはありますが、『カド』がその後も残ったことに対し『ばかうけ』が完全に地球を離れたのであれば、それぞれの表現は正しかったんだと思います。

表意文字

中国系アメリカ人である原作者テッド・チャンのアイデアを完全に映像化しているのが秀逸。表音文字であるアルファベットを用いる人間が表意文字を解読するアプローチも面白い。たぶん初めて日本語の文字に触れるアメリカ人もこんなイメージなんだろうなぁ。

時間すら超越した存在であるエイリアン(ヘプタポッド)は文章も時制を伴わない意味を伴った文字の円環配列。

彼ら自身も体を中心に脚を円環配列した構造なんだけど、この前後不特定な体だからこそ前後や過去未来を超越したような存在になったのかもしれませんね。

そういえば20年以上前に放送されたアニメ【新世紀GPXサイバーフォーミュラ】のエンディングテーマWinnersに、

“人の瞳が背中についてないのは 前に向かい生きてゆく 使命があるから”

という歌詞があることを思い出しました。

何当たり前のこと歌にしてるんだwとか思っていましたが、そもそもヘプタポッドは未来に向かってすらいないんですよね。

ストーリー

映画レビューで『ご都合主義』と書かれているのを見かけたんですけど、それは多かれ少なかれどの作品にも言えることなのでは?むしろ、この作品を見てご都合主義としか読み取れない人は、その都合とやらを生み出すための説得力を理解できないのでしょうか?さんざん、過去も未来もあいまいにするヘプタポッドの存在を全面に出しているのに、全ての事象への回答が都合よく出てくることに疑問を覚えるものでしょうか?

劇中では都合よく思い出したことになっているけど実際は最初から全て理解していたからこそ、もともとのファーストコンタクトの成功にも繋がったんじゃないですかね?

あと、ミスリードで以前、娘を失った過去があるようにみせているけど、実際はこれから経験することですから!……と、映画館で話していたおばちゃんに伝えたい。もうちょっとだけ作品への理解を求めるよ。

総評

感動。ちょっとコレしっかりと劇場で観ておいて欲しい。スペースオペラも好きだけど、大宇宙に飛び込む話と同じくらい、大宇宙の一端に触れるSFも面白いです。

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